国交省/インフラ点検ロボの性能要求設定/近くトンネルの認定技術公表

 国土交通省はトンネルと橋梁を対象にロボットによる点検を導入するための性能要求(リクワイアメント)を設定する。トンネルについては性能要求に基づき評価・認定した技術を近く公表。当面は人の判断を前提にロボットを用いるが、「人工知能(AI)の開発を進め、近い将来にはロボットがスクリーニング(診断箇所の絞り込み)する判断の自動化を目指す」(総合政策局公共事業企画調整課)としている。
 有識者や行政機関でつくる次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会は、14~15年度に民間企業や大学などから公募したロボット技術を国交省の直轄現場で検証・評価。効果の高いロボットを16年度に現場で試験導入した。この結果を踏まえ、インフラ点検ロボットのリクワイアメントを設定する。
 具体的には、▽精度▽効率性▽経済性-の三つを評価軸に据える。精度についてはインフラごとに評価項目を設け、効率性と経済性は共通の評価項目とする。
 インフラの定期点検は、5年に1回の頻度で近接目視を基本に実施。必要に応じて打音や触診などの非破壊検査を併用している。国交省はロボットを用いる場合、第1ステップとして、点検員が近接目視や打音など、ロボットが写真撮影と記録をそれぞれ実施し、画像にある変状の判断は人が行うことを想定している。
 次のステップでは、AIやロボットによるスクリーニングで点検範囲を絞り込んだ上で、点検員が手の届く範囲に近づき目視確認や打音検査を行う。リクワイアメントの精度には、判断の自動化を含めた評価項目が設定される。近い将来、ロボットによる判断の自動化により、点検作業の省力化・効率化を図る。
 橋梁は先行して一つの技術を認定済み。トンネルは公募した技術の中から、リクワイアメントの評価項目を達成しているものを認定。認定を受けた技術は現場への導入が可能になる。
 国交省は今後、「人の作業」の支援だけでなく、「人の判断」の支援を可能とする革新的技術をインフラ分野に取り入れる。土木技術者による正しい判断結果とインフラ点検で得た膨大なデータを蓄積し、AIの研究開発に必要な「教師データ」を整備し、無償で公開する。研究者が教師データにアクセスできる開発環境の整備や、開発を支援するプラットフォームの運営を行う。

(日刊建設工業新聞様より引用)