国交省/ダム再生ビジョン策定/i-Conで再開発推進、18年度から事業実施へ

 国土交通省は27日、同省所管の既設ダムの再開発工事を計画的・効率的に進められるようにする施策を列挙した「ダム再生ビジョン」を決定した。ダム工事では実績がないCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入を念頭に建設現場の生産性向上策i-Constructionを推進する。対象施設は未定だが、18年度から再開発事業を実施する。
 石井啓一国交相が同日の閣議後の記者会見で発表した。
 ビジョンでは、ダムの運転を止めないことを前提に、最新技術を活用してダムの洪水調節機能を効率的に高められる堤体かさ上げなどの改良工事や、維持管理をより低コストで行えるようにする施策を列挙した。
 具体的には、国交省と水資源機構、都道府県がそれぞれ管理している同省所管ダムの今後の再開発工事を対象に、川上の計画立案や調査設計の段階から建設業などの関係団体との意見交換を促す。施工を効率化できる新技術の採用や設計図書の質向上などに役立る。
 再開発工事ではi-Constructionを推進する。具体的な手法はビジョンに明記していないが、CIMの導入を念頭に計画立案や調査設計、施工、維持管理に至る各工程で得られた3次元(3D)モデルの情報などを全工程を通じて関係者間で共有し、効率化・高度化につなげる。
 このうち、維持管理に特化した効率化・高度化策として、施工時に堤体の変位状況を自動計測・送信できるICT(情報通信技術)搭載のチップのような機器の設置を標準化。水中維持管理用のロボットや無人航空機(UAV)を使う点検も推進する。
 ダム再開発工事の技術的留意点をまとめた指針も早期に作る。
 国交省では現在、北海道開発局を含む各地方整備局が中心となり、同省管理ダムの中で再開発を行う候補ダムを選定するための調査を進めている。その結果などを踏まえ、再開発工事の事業化を目指すダムを特定する。
 国交省によると、16年度時点で同省所管の既設ダムは556カ所ある。うち99カ所を同省、23カ所を水機構、434カ所を都道府県がそれぞれ管理している。
 《ダム再生ビジョンの要旨》
 【長寿命化】
 ▽貯水池底部の堆砂状況に応じた対策推進、新しい工法の導入検討
 ▽長寿命化計画の策定・見直し、機械設備の計画的な保全
 【維持管理の効率化・高度化】
 ▽維持管理の高度化に必要な設備の設置を建設段階で標準化
 ▽i-Constructionを推進
 ▽水中維持管理用ロボットを使った点検の推進
 【高機能化のための施設改良】
 ▽ダム再開発と河道改修の一体的推進
 ▽ダム再開発指針の作成
 ▽国等が都道府県管理ダムの再開発工事代行

(日刊建設工業新聞様より引用)