国交省/下水道インフラ輸出拡大へ支援強化/現地実証施設整備費用を補助

 国土交通省は17年度から、下水道分野のインフラ輸出支援策を強化する。海外市場で日本企業の優位性が高いとされる高度な水処理技術や老朽管の更生工法などをより効果的に売り込むため、海外で新たに実証施設を整備する日本企業向けの財政支援制度を創設する。新たに売り込む技術や工法について、相手国での標準化も後押しする。
 海外での実証施設整備に対する財政支援制度の経費として、17年度予算概算要求に1億20百万円を新規計上している。設計や工事など建設費用の一部を支援できるようにする。
 下水道分野のインフラ輸出を強化する今回の新たな支援策は、5月に自民党の政務調査会から出された提言を受けて行う。海外で実証施設を整備すれば、日本で実証してから相手国に売り込むよりも性能の信頼度を直接的にPRしやすく、相手国が求めるニーズや仕様とのギャップも埋めやすくなるとみている。
 国交省は、海外での実証施設整備支援を通じて売り込む有望な技術として、品質や効率性などの面で世界有数とされる膜処理技術や老朽管の非開削更生(SPR)工法などを念頭に置いている。
 こうした技術や工法の売り込みに当たっては、日本の技術基準類とセットで相手国に提案する。日本企業がより受注しやすい環境を構築するのが狙いだ。こうした方法は近年、ベトナム向けに日本の技術基準類を提供して現地で日本企業の相次ぐ案件受注につなげている管渠の非開削敷設工法の例がある。
 このほかに国交省は、下水道を管理する地方自治体の職員向けのインフラ輸出支援策も強化する。海外事業を行うのに必要となる知識とスキルの向上を図るための研修の実施に乗りだす方針だ。17年度予算概算要求に10百万円を新規計上した。
 今後、人口減少が進む国内では、下水道市場は縮小していくことが見込まれる一方、世界の下水道市場はアジア各国を中心に大幅に拡大するとみられている。経済産業省の試算によると、2025年には07年の15・4兆円から37・6兆円に拡大することが予測されており、これまで国内で培った技術を生かして海外需要を日本の成長に取り込む方針だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)