国交省/働き方改革推進策提示/中建審が工期基準作成、下請代金の労務費相当は現金で

 国土交通省は28日、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)の下に設置している合同の基本問題小委員会を開き、働き方改革の推進に向けた制度的な方策を示した。中建審が工期に関する基準を作成し、受発注者団体に実施を勧告する規定を提示。受発注者双方の責務も明確化する。下請代金のうち労務費相当分を現金払いとする方向性なども示した。=2面に関連記事
 政府は昨年8月、建設業への時間外労働の罰則付き上限規制の適用に向けた取り組みの一つとして、官民の建設工事を対象とする「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」を策定した。国交省はガイドラインに盛り込まれている受発注者双方の取り組みを法令や約款などで制度化し、働き方改革の一層の推進を図る考え。
 会合で同省は、中建審が受発注者の責務の前提となる工期に関する基準を作成し、その実施を特定行政庁を通じて受発注者団体に勧告できる規定を設ける方向性を提示。この基準を前提に建設業法で受注者の責務を規定する。
 受注者による工期ダンピングを禁止するため、工程の細目を明らかにして工期の見積もりを行うことを努力義務に規定。併せて受注者は、その工期により適正な施工が通常見込まれない請負契約の締結を禁止する規定を設ける。
 受注者の責務を明確化した上で、注文者(発注者、元請・下請関係の元請など)についても一定の措置を設ける。注文者による不当に短い工期設定を禁止。著しく短い工期による請負契約を締結してはいけないと規定する。違反した場合は注文者に対して必要な勧告を行うことも盛り込む。
 建設業従事者の働き方改革や処遇改善を図るには、下請企業の資金調達の負担を少なくし、下請代金を適切に支払える環境整備が重要となる。国交省が実施した17年度下請取引実態調査によると、全額現金払いや労務費相当分の現金払いが約9割に達している。こうした状況を踏まえ、下請代金のうち労務費相当分については、手形ではなく現金払いとするよう規範を強化する。
 国交省は法令で加入義務がある社会保険未加入企業を建設業許可業者から排除するため、加入を建設業許可・更新の要件にすることを検討。労務費相当分を現金払いにすることで、加入の原資となる法定福利費相当分を現金で下請に行き渡らせる狙いもある。

(日刊建設工業新聞様より引用)