国交省/公共事業評価手法改善へ議論着手/貨幣換算できない効果含め総合的に評価

 国土交通省は公共事業評価手法の改善に向けた議論を開始した。19日に開いた学識者委員会で事業評価の段階ごとに課題を提示。現行の評価指標となっている費用便益分析以外にも、貨幣換算できない効果も含めた多様な効果を総合的に評価する仕組みを検討する。事後評価の結果を新規事業採択時評価や再評価に生かすことも考える。12月をめどに中間取りまとめを行う。
 社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)と交通政策審議会(交政審、同)が合同で設けた計画部会の専門委員会が16年11月に取りまとめた提言「ストック効果の最大化に向けて」には、ストック効果の発現状況を多面的に計測するための指標を整備するとともに、事業評価などにも指標を可能な限り活用し、定量的・客観的に効果を把握・公表することが盛り込まれた。
 国交省は学識者らでつくる「公共事業評価手法研究委員会」(委員長・家田仁政策研究大学院大学教授)を19日に同省で開き、新規事業採択時評価、再評価、事後評価の各段階での現状と課題を示した。
 新規事業採択時評価では、費用便益分析の際に現行の算定項目以外も貨幣換算することや、費用便益分析以外にも事業の多様な効果を評価することを提示。貨幣換算できない効果も含めてさまざまな効果があることを一般に周知するとともに、総合的に評価する必要性も示した。
 委員からは「効果は言い換えると価値。価値には経済や安全、文化、教育などがある。価値を生み出す装置を作っていく流れにしていきたい」「ストック効果の計測の仕方に現場は苦労している」などの意見が出た。
 再評価については、事業が計画通りに進ちょくしているか、計画通りに進ちょくしていない事業の課題にどう対応していくかを重点的に審議するため、効率的な評価方法に改善する。
 事後評価では、効果を高めた工夫などを蓄積した事例集を活用し、他の事業への展開や新規事業へのフィードバックを図る手法を検討する。失敗や見直しが必要となった事例(事業費増や工期延長など)を学習し、新規事業採択時評価や再評価に生かすことの必要性も挙げた。

(日刊建設工業新聞様より引用)