国交省/営繕工事の数量書活用方式、都道府県・政令市に普及/23団体が導入検討

 国土交通省が17年度の営繕工事に導入した「入札時積算数量書活用方式」について、都道府県・政令市の約3分の1が導入を検討していることが同省の調査で分かった。既に長崎、沖縄の2県が試行導入している。公共建築工事の契約適正化につながる同方式について国交省は、公共建築相談窓口による相談対応や各種会議での説明などを通じて地方自治体にも普及促進を図る。
 同方式は、入札参加者に示す「数量書」の記載事項について契約後に疑義が生じた場合、受発注者間の協議を経て必要に応じて数量を訂正し、請負代金を変更することを契約事項とする仕組み。数量書はこれまでも入札参加者に参考資料として提示されていたが、契約事項の一つと明確に位置付けることで、発注者によって扱いにばらつきが出ないようにする。
 国交省は16年度に直轄営繕工事で試行した結果、協議が円滑に行えるなどの効果を確認。4月1日以降に入札手続きを開始する営繕工事から本格導入した。
 地方整備局などに実施内容などを周知する文書を3月14日付で送付し、各整備局を通じて地方自治体にも周知。3月末時点の動向を調査したところ、都道府県・政令市(計67団体)のうち、試行導入が2団体(長崎県、沖縄県)、導入検討が23団体となった。
 長崎県は16年度から試行導入しており、17年5月1日に対象工事の範囲を拡大。建築課、住宅課、関係地方機関が行う競争入札の建築一式工事で、設計金額5000万円以上の営繕工事(外壁改修工事と防水工事等専門工事を除く)に適用している。
 4月に試行を始めた沖縄県は、競争入札を行うすべての営繕工事(改修工事と解体工事を除く)に原則適用。試行案件は入札公告や入札説明書に明示する。
 国交省が16年度に入札を行った営繕工事289件のうち、同方式により協議が行われた工事は5月12日時点で11件。うち、数量を訂正し請負代金を変更したのが8件、設計図書も併せて変更したのが2件、協議中が1件となっている。
 受注者からは、同方式の活用によって「円滑に協議が行える」「積算の効率化につながる」との意見が多い。一方、導入を検討している自治体からは「契約書の見直しを伴うため、営繕部局だけでなく契約部局との調整も必要」などの声が寄せられている。
 同省は5月25日に開いた全国営繕主管課長会議で、都道府県・政令市の担当者に同方式を説明して活用を促した。公共建築相談窓口では、同方式に関する相談が増えており、官房官庁営繕部では「具体的な内容に関する相談が多く、自治体でも導入に向けた検討が進んでいる」とみている。

(日刊建設工業新聞様より引用)