国交省/地下空間の安全技術確立へ/審議会で議論開始、施工と維持管理対象に

 国土交通省は、地下構造物の施工や維持管理に関する安全技術の確立に向けた検討に着手する。地盤や地下水など地下空間の状況を把握した上で、どう工事を進めるか、どのように維持管理していくかなど幅広いケースを対象にして安全技術を議論。地下空間のある施設の地上部の安全性も取り上げる。地下空間を安全に利活用できる技術を確立し、新設だけでなく老朽インフラ対策にも役立てる。
 地下空間をめぐっては、11月に福岡市の市営地下鉄七隈線の延伸工事区間で発生した道路陥没や、下水道管路に起因する道路陥没など、近年は事故が頻発。新設、既設を問わず安全対策の強化が求められている。
 福岡市の道路陥没では原因究明や再発防止策を検討するため、国交省が市の要請を受けて土木研究所に第三者委員会を設置し、11月29日に初会合を開催した。今後、事故原因や設計・施工の問題点などの議論を進め、年度内を目標に中間まとめを行う。
 こうした事故事例や地下インフラの老朽化などを踏まえ、国交省は地下空間の利活用に関する安全技術の確立について検討を始める。2日に東京・霞が関の同省で開く交通政策審議会(交政審、国交相の諮問機関)の第10回技術分科会、社会資本整備審議会(社整審、同)と交政審合同の第19回技術部会で審議に入る。
 土木、建築とも地下空間のある構造物を対象にする。地下の構造物だけでなく、地下空間のある地上部の安全性についても検討し、「地下の状況を知る技術、それに応じた施工や維持管理の技術をしっかりと考える」(五道仁実官房技術審議官)としている。
 このほか2日の審議では、17年度からの次期国土交通省技術基本計画の原案を議論する。科学技術の変革期や加速するインフラの老朽化など社会・経済の変化を踏まえ、今後の技術政策の基本方針・方向性を提示。IoT(モノのインターネット)やビッグデータなどの技術を徹底的に駆使した新たな生産性向上や、戦略的なメンテナンスなどを技術政策に据え、具体的な取り組みなども示す。

(日刊建設工業新聞様より引用)