国交省/専任技術者も「研修参加可能」周知/法令上解釈明確化、技術研さんへ環境整備

 国土交通省は、公共工事の専任技術者が技術研修などへの参加で一時的に現場を離れても制度上問題ないことを発注者や業界に周知する方向で検討に入った。専任技術者には、現場代理人のような「常駐」義務はないが、専任と常駐の違いを明確化し、研修に参加しやすい環境をつくるのが狙い。技術者がICT(情報通信技術)施工など最新技術に対応した継続的な研さんを積めるようにする。
 公共工事などで請負金額が3500万円(建築一式は7000万円)以上の工事の場合、適正施工を確保するために主任技術者や監理技術者を現場に専任配置することが建設業法で義務付けられている。専任技術者は他の現場との兼務はできない。
 ただ、業法では「専任=常駐」とは明記されておらず、これまでも専任技術者が安全衛生大会や所属企業のカリキュラムとして実施される研修などに参加するケースはあった。今回改めて法令上の解釈を明確化する方向で検討に入ったのは、業界団体が主催する研修実施を巡り、専任技術者が参加するのが難しいのではないかとの認識が受発注者内にあるためだ。
 現場代理人については、公共工事標準請負契約約款に工事現場への常駐を定めた条項があるが、専任技術者の常駐義務は約款にも明記されていない。
 6月末に発表された国交省の「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)の取りまとめでは、建設現場の生産性向上策i-Constructionなどで施工のICT化が進展する中、技術者は常に最新の技術を習得するために継続的に技術研さんを積んでいくことが「当然必要」としている。
 国交省はこうした指摘も踏まえ、団体主催の技術研修などに参加しやすい環境づくりの一環で、専任技術者に関する法令上の解釈を明確化することにした。
 群馬県建設業協会(青柳剛会長)は、県内の廃校を利用したICT土工研修を9月から11月にかけて開催する計画。現場に従事する技術者にも配慮し、参加しやすい地元開催で、かつ5日間のカリキュラムを分割することで無理なく受講できるようにした。
 国交省が法令上の解釈を示せば、より受講しやすい環境がつくられ、他の地域でも同様の研修を企画しやすくなる可能性もある。

(日刊建設工業新聞様より引用)