国交省/建基法大幅改正へ議論開始/建物用途変更で段階的改修工事可能に

 国土交通省は6日、建築基準法の大幅改正に向けた議論を始めた。最大の柱は、約半数が築30年を超えているとされる既存建築物の活用促進。主に民間の非住宅建築物を対象に、用途変更による活用を誘導する方向だ。具体的には、用途変更で建物を法令に適合させるための改修工事を段階的に行えるようにし、費用負担を平準化できる仕組みの導入を検討する。
 法改正に向けた議論は、社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)建築分科会の建築基準制度部会(部会長・深尾精一首都大東京名誉教授)で進める。同日開かれた部会の会合に出席した伊藤明子住宅局長は「建基法の改正を念頭に置いた議論をお願いしたい」と呼び掛けた。
 国交省は来年2月までに建築分科会に議論の成果をまとめてもらう。その後、早ければ来年の通常国会に建基法改正案を提出する。
 建基法の改正を検討する大きな目的は、▽既存建築物の活用促進▽木造建築物の建設と活用促進▽火災に対する建築物の安全性確保-の3点。今後の建築基準制度部会では、これらの目的別に現行規制の合理化などを議論する。
 国交省によると、議論の最大の柱になるのが、既存建築物の活用促進。現在、床面積ベースで法人などが所有している非住宅建築物(計約20億平方メートル)の半数弱が築30年を超えている。そこで、比較的規模の大きい非住宅建築物の用途変更で必要になる大規模改修工事の費用負担を平準化できる仕組みの導入を探る。
 具体的には、現行法令で増改築工事の特例措置として運用中の「段階改修制度」の準用を検討する。用途変更で必要になる改修工事は原則として一気に行ってから建築確認を受ける必要があるが、段階改修制度を活用すれば、最終的に建築物全体が法令に適合するように工事を段階的に行うことができる。
 建築物の防火対策も強化する方向だ。昨年12月に新潟県糸魚川市で起きた木造住宅密集(木密)地域の大規模火災を教訓に、面的な建て替えや改修を促す措置を検討。今年2月に埼玉県三芳町で起きた大規模倉庫の延焼火災を教訓に、防火シャッターなどの防火装置の閉鎖障害が起こらないようにする日常的なメンテナンスの実施を促す措置も探る。
 このほか、木造建築物の新たな普及策として、安全性の確保を前提に、木の良さを生かしてデザインの自由度も高められるようにする方向だ。
 《建基法見直しに向けた主な検討課題》
 ■ストック活用促進
 △単体規定の合理化=用途変更を伴うストック活用円滑化
 △集団規定の合理化=ストックも活用した老人ホームなどの福祉施設整備促進、用途規制などの例外許可の手続き迅速化
 △一時的な建築・利用ニーズへの対応=災害発生後に応急仮設住宅を迅速に供給する仕組み構築
 ■木造建築を巡る多様なニーズへの対応
 △木造建築物の建築・活用促進=安全性確保を前提に木の良さを生かしたデザイン実現
 ■適切な維持管理・更新による建築物の
 安全性確保
 △安全確保のための適切な維持保全促進=大規模倉庫の防災上適切な日常的なメンテナンスの実施、保安上危険な既存不適格部分への対応促進
 △安全確保のための建て替え促進=市街地全体の防火性向上につながる面的な建て替え・防火改修促進、局所的に安全性が懸念される土地利用課題への対応

(日刊建設工業新聞様より引用)

国交省/建基法大幅改正へ議論開始/建物用途変更で段階的改修工事可能に

 国土交通省は6日、建築基準法の大幅改正に向けた議論を始めた。最大の柱は、約半数が築30年を超えているとされる既存建築物の活用促進。主に民間の非住宅建築物を対象に、用途変更による活用を誘導する方向だ。具体的には、用途変更で建物を法令に適合させるための改修工事を段階的に行えるようにし、費用負担を平準化できる仕組みの導入を検討する。
 法改正に向けた議論は、社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)建築分科会の建築基準制度部会(部会長・深尾精一首都大東京名誉教授)で進める。同日開かれた部会の会合に出席した伊藤明子住宅局長は「建基法の改正を念頭に置いた議論をお願いしたい」と呼び掛けた。
 国交省は来年2月までに建築分科会に議論の成果をまとめてもらう。その後、早ければ来年の通常国会に建基法改正案を提出する。
 建基法の改正を検討する大きな目的は、▽既存建築物の活用促進▽木造建築物の建設と活用促進▽火災に対する建築物の安全性確保-の3点。今後の建築基準制度部会では、これらの目的別に現行規制の合理化などを議論する。
 国交省によると、議論の最大の柱になるのが、既存建築物の活用促進。現在、床面積ベースで法人などが所有している非住宅建築物(計約20億平方メートル)の半数弱が築30年を超えている。そこで、比較的規模の大きい非住宅建築物の用途変更で必要になる大規模改修工事の費用負担を平準化できる仕組みの導入を探る。
 具体的には、現行法令で増改築工事の特例措置として運用中の「段階改修制度」の準用を検討する。用途変更で必要になる改修工事は原則として一気に行ってから建築確認を受ける必要があるが、段階改修制度を活用すれば、最終的に建築物全体が法令に適合するように工事を段階的に行うことができる。
 建築物の防火対策も強化する方向だ。昨年12月に新潟県糸魚川市で起きた木造住宅密集(木密)地域の大規模火災を教訓に、面的な建て替えや改修を促す措置を検討。今年2月に埼玉県三芳町で起きた大規模倉庫の延焼火災を教訓に、防火シャッターなどの防火装置の閉鎖障害が起こらないようにする日常的なメンテナンスの実施を促す措置も探る。
 このほか、木造建築物の新たな普及策として、安全性の確保を前提に、木の良さを生かしてデザインの自由度も高められるようにする方向だ。
 《建基法見直しに向けた主な検討課題》
 ■ストック活用促進
 △単体規定の合理化=用途変更を伴うストック活用円滑化
 △集団規定の合理化=ストックも活用した老人ホームなどの福祉施設整備促進、用途規制などの例外許可の手続き迅速化
 △一時的な建築・利用ニーズへの対応=災害発生後に応急仮設住宅を迅速に供給する仕組み構築
 ■木造建築を巡る多様なニーズへの対応
 △木造建築物の建築・活用促進=安全性確保を前提に木の良さを生かしたデザイン実現
 ■適切な維持管理・更新による建築物の
 安全性確保
 △安全確保のための適切な維持保全促進=大規模倉庫の防災上適切な日常的なメンテナンスの実施、保安上危険な既存不適格部分への対応促進
 △安全確保のための建て替え促進=市街地全体の防火性向上につながる面的な建て替え・防火改修促進、局所的に安全性が懸念される土地利用課題への対応

(日刊建設工業新聞様より引用)