国交省/所有者不明土地、事業認定円滑化へ手引整備/4月に素案、相談窓口も設置へ

 国土交通省は所有者不明土地を公共事業向けに収用する手続きの合理化・円滑化策の一環として、国、都道府県による事業認定を円滑化するためのマニュアルを整備する。小規模事業や地方自治体事業にも収用制度が活用できる事項をきめ細かく明確化し提示する。相談窓口を同省や都道府県に順次整備し、運用状況を踏まえ定期的に見直す。4月に素案を公表し、6月ごろに成案にまとめる。
 国交省が通常国会で提出する法案では、所有者不明土地の円滑利用を可能にする新たな制度を導入。公共事業のために収用する場合は、都道府県知事が権利取得などを裁定する土地収用法の特例措置を講じる。審理手続きを省略し、都道府県知事が権利取得と明け渡しを一本化して裁決できるようにする。
 収用制度の計画的な活用を促すため、国、都道府県による事業認定を円滑化するマニュアルを作成する。これまでは直轄の大規模事業向けの事項を示していたが、今回整備するマニュアルには小規模事業や自治体事業にも活用できる事項を盛り込む方針だ。
 地域の事情に応じて事業の必要性を説明する指標を明確化して提示。通学路の指定や洪水浸水想定区域といった関係法令に基づく安全・安心確保策の活用を説明できるようにする。申請実績の少ない事業や、収用が難しいと思われている事業でも収用可能なことを明らかにする。
 4月にマニュアルの素案を公表するとともに、本省に相談窓口の体制を整備する。その後、地方整備局や都道府県にも相談体制を順次拡充する。
 素案への意見募集を経て、6月ごろ成案にまとめる予定だ。
 国交省の提出法案では、収用制度の対象外の公共的事業の場合、土地の暫定利用を可能とする利用権が設定できる「地域福利増進事業(仮称)」を創設する。都道府県知事が設定する利用権は上限10年間。所有者が現れて明け渡しを求めた場合には、期間終了後に事業者(利用者)負担で原状回復する。異議がない場合は期間の延長も可能にする。法案成立後、地域福利増進事業のガイドラインを整備する。

(日刊建設工業新聞様より引用)