国交省/所有者不明土地、円滑利用の制度構築へ中間まとめ案/17年内に成案へ

 国土交通省は所有者不明土地の利用に関する制度を議論している国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)の特別部会に中間取りまとめ(案)を提示した。公共事業のために収用する場合は都道府県知事が権利取得などを裁定する土地収用法の特例措置を講じ、収用制度の対象外の公共的事業の場合は利用権を設定する。所有者探索では、行政機関が固定資産課税台帳など有益な所有者情報を利用できるようにする。年内に成案にする。
 5日に国土審土地政策分科会に設けた特別部会の3回目の会合を開催。所有者不明土地を円滑に利用するための制度や、所有者探索を合理化する仕組みなどを盛り込んだ中間取りまとめ(案)を審議した。
 同日の閣議後の記者会見で石井啓一国交相は、喫緊の課題の所有者不明土地の利用円滑化に関する中間取りまとめを踏まえ、「所有者不明土地の発生の抑制や解消に向けた抜本的な対策については、登記制度や土地所有権のあり方などに深く関連するため、今後、政府全体で検討が進められる。国交省では来年以降も特別部会で土地制度のあり方や関連施策などについて審議していただく」との考えを示した。
 中間取りまとめ案には、建築物がなく、反対者もいない利用されていない土地を対象に、道路や河川など土地を恒久的に利用する公共事業は土地収用で所有権を取得するため、審理手続きを省略し、都道府県知事が権利取得と明け渡しを一本化して裁定する特例措置を講じるとした。
 地域住民などのための公共的事業については、土地の暫定利用を可能とする利用権を知事の裁定で設定。所有者が現れて明け渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復する。異議がない場合は期間の延長も可能にするとした。
 所有者の探索を合理化する仕組みも明記。登記簿や住民票など客観性の高い公的書類の調査を原則とし、現在アクセスできない固定資産課税台帳や地籍調査票など有益な情報を行政機関などが利用できるようにする。聞き取り調査の範囲も親族などに限定するなどして合理化・明確化を図るとしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)