国交省/技術提案・交渉方式指針改定/技術協力期間や価格の妥当性確保

 国土交通省は、最も優れた技術提案を行った参加者と価格や施工方法などを交渉して契約相手を決定する「技術提案・交渉方式」を同省直轄工事(港湾空港関係を除く)で運用するためのガイドラインを改定した。実施事例を踏まえ、技術協力期間の確保や価格の妥当性の確保など適用に当たっての留意点を追加。記載内容を充実させるとともに、契約図書などの実例も添付した。同方式の適用に役立ててもらう。
 同方式は、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく多様な入札契約方式の一つに位置付けられている。発注者が最適な仕様を設定できなかったり、仕様を決める前提となる条件の確定が難しかったりする工事を対象に、民間事業者の技術・ノウハウを活用する。
 国交省は直轄工事を対象にした同方式の運用ガイドラインを15年6月に策定。契約タイプを▽設計・施工一括▽技術協力・施工▽設計交渉・施工-の3類型とし、これまでに直轄工事では5件に適用されている。
 ガイドラインの主な改定点は、▽設計、技術協力の十分な実施期間の確保▽設計、価格などの交渉を踏まえた条件・仕様を契約図書に反映▽積算基準、特別調査結果、類似実績などに基づく価格の妥当性の確認-の3点。
 不可視部分が多い場合、精度の高い設計を実施するには十分な設計期間を取る必要があるため、事業の緊急度に配慮しつつ設計の複雑さや適用する技術の難易度などに応じた十分な期間を確保するよう追記。技術協力業務の段階では、優先交渉権者からの技術提案を踏まえた仕様の確定に当たり、必要な調査・協議を実施することも加えた。
 実現性の低い技術提案を防ぐため、設計や価格などの交渉を経て決定した仕様・条件を設計図書に具体的に反映させることを明記。必要が認められた場合は契約図書の変更、請負代金額や工期の変更を適切に行うなどして技術提案を履行させることも追記した。
 価格の妥当性を説明するためにも積算基準や特別調査結果、類似実績などの関係について学識経験者に意見を聴取。その結果を踏まえ価格を決定するとした。
 官房の地方課長、技術調査課長、官庁営繕部計画課長の連名で「『国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用について』の一部改正について」と題した文書を全地方整備局に21日付で通知。併せて中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)経由で国の発注機関などにも参考送付した。
 技術提案・交渉方式の適用状況は次の通り。
 △近畿地方整備局=国道2号淀川大橋床版取替等工事(設計交渉・施工タイプ)△九州地方整備局=熊本57号災害復旧二重峠トンネル工事(阿蘇工区)、同(大津工区)(技術協力・施工タイプ)△北陸地方整備局=国道157号犀川大橋橋梁補修工事(技術協力・施工タイプ)△中国地方整備局=国道2号大樋橋西高架橋工事(技術協力・施工タイプ)△中部地方整備局=国道1号清水立体八坂高架橋工事(技術協力・施工タイプ)。

(日刊建設工業新聞様より引用)