国交省/新下水道ビジョン加速戦略最終案/効率的な維持管理サイクル標準化

 国土交通省は11日、今後5年で段階的に取り組む下水道分野の新規施策を列挙した「新下水道ビジョン加速戦略」の最終案をまとめた。主な課題は生産性向上。今後1~2年以内に、新技術を活用して修繕・改築、維持管理を効率的に行うサイクルを確立。そこで蓄積された情報を活用し、基幹施設の管路の点検・診断や修繕・改築に関する指針や基準を作る。
 最終案では、今後5年で推進する施策のテーマとして、▽官民連携の推進▽下水道の活用による付加価値向上▽汚水処理システムの最適化▽マネジメントサイクルの確立▽水インフラ輸出の促進▽防災・減災の推進▽ニーズに適合した下水道産業の育成▽国民への発信-の8項目を設定。テーマごとに明示した個別施策の優先順位付けも3段階で行った。
 マネジメントサイクルの確立では、今後1~2年以内に最優先に取り組む施策として施設の日常の維持管理情報をデータベース(DB)化し、その内容を効率的な修繕・改築や維持管理に生かすサイクルを標準化する。国交省は下水道施設の大半を管理する中小規模の市町村に対し、施設の維持管理情報のDB化に対する技術的な支援を行う。
 その後、マネジメントサイクルの繰り返しによって蓄積された情報を分析し、管路の点検・診断や修繕・改築に関する統一的な指針や基準を作る。
 市町村には、施設の修繕・改築の設計や工事、維持管理全般について、維持管理業者とコンサルタント会社などで組成する異業種JVへの発注も促す。従来は工程別に専門分野の民間事業者に発注してきたが、より効率的なマネジメントサイクルを確立するには、分野連携による技術力の維持・向上が必要になると判断した。
 このほか、今後1~2年以内に最優先で取り組む施策として、防災・減災の推進では、民間事業者に都市部のビルの地下に雨水貯留施設を設置してもらうための支援策を整備する。
 水インフラ輸出の促進では、法律で事業活動がほぼ国内に限定されている日本下水道事業団(JS)の海外業務を拡充し、海外各国向けのコンサルティング支援を充実させる。
 国交省は12日から最終案に対する一般の意見を募集した上で、8月に戦略を決定する。
 今後1~2年以内に最優先で取り組む施策については、今夏の18年度予算概算要求や制度改正に反映させる。
 《1~2年以内に着手する主な施策》
 ■官民連携の推進
 ▽公共施設等運営権(コンセッション)事業者の倒産時に適用できる第三者履行代行制度の整備検討
 ■汚水処理システムの最適化
 ▽ICT(情報通信技術)を活用した複数施設の集中管理・遠隔制御を行うためのデータ等の仕様共通化
 ■マネジメントサイクルの確立
 ▽施設の日常の維持管理情報をデータベース(DB)化し、効率的な修繕・改築に活用する新たなマネジメントサイクルの標準化
 ▽中小市町村に対する施設の維持管理情報のDB化技術支援
 ■水インフラ輸出の促進
 ▽日本下水道事業団(JS)の海外業務拡充
 ▽都市開発など他分野とパッケージ化した案件の提案
 ■防災・減災の推進
 ▽民間主体の雨水貯留施設整備を促す支援制度構築

(様より引用)