国交省/水防4法一括改正案の省令案/既存堤防確保へ開発制限

 国土交通省は今国会に提出した水防法、河川法、水資源機構法、土砂災害防止法の4法一括改正案の細則を定める省令案をまとめた。水防法改正案では市町村を中心とする水防管理者が、浸水被害が起きる可能性のある河川流域の開発を制限できる「浸水被害軽減地区」の指定制度を創設。省令案では同地区に指定できる流域の要件として、既存の輪中堤防または帯状の自然堤防があることを定めた。
 浸水被害軽減地区の指定制度の創設は、河川流域の浸水被害を軽減できる機能を持つ既存の輪中堤防や帯状の自然堤防について、減災機能に支障を来すような開発を制限するのが目的。そのため、大雨が降ると堤防が決壊する危険がある堤防付近での掘削や切り土といった開発行為を制限できるようにする。
 新制度の細則を定める省令案では、水防管理者が指定した浸水被害軽減地区で開発目的の土地形質変更行為を計画する民間事業者に対し、着工の30日前までに設計・施工の内容や事業スケジュールなどをまとめた事業計画を届け出るよう義務付ける。水防事業者はその計画内容が既存堤防の機能に支障を来すと判断すれば、改善などを勧告・命令できるようになる。
 茨城県常総市を流れる鬼怒川の堤防が決壊した15年9月の関東・東北豪雨では、流域の浸水被害の拡大を招いた要因の一つに、太陽光発電設備を設置するために行われた自然堤防の掘削があったとみられている。
 このほか、土砂災害防止法改正案で土砂災害警戒区域内にある社会福祉施設などの要配慮者利用施設の管理者に災害時の避難計画の策定を義務付けるのに伴い、省令案では同計画に明記する事項を定めた。具体的には施設整備や防災訓練などの計画内容を明示してもらう。
 国交省は省令案に対する一般からの意見を5月3日まで受け付ける。4本の改正法が今国会で成立すれば、省令は改正法と同じ6月上旬に施行される。

(日刊建設工業新聞様より引用)