国交省/法令順守指針を改定/下請代金は現金払い、違反行為事例も充実

 国土交通省は下請取引条件の改善に向け、「建設業法令順守ガイドライン」を29日付で改定した。下請代金の支払い手段に関する項目を追加。支払いはできる限り現金払いとし、手形を使う場合は期間を「将来的に60日以内とするよう努める」と明記した。立ち入り検査で多く見られる違反行為事例も追加したほか、16年6月施行の建設業法施行令の改正内容も反映させた。
 ガイドライン改定に関する文書を各地方整備局と建設業106団体に同日付で通知。都道府県の許可部局にも参考送付した。
 下請など中小企業の取引条件改善のため、16年12月に経済産業省と公正取引委員会は下請中小企業振興法(下請振興法)に基づく振興基準と下請代金支払遅延等防止法(下請法)に関する運用基準の改正、下請代金支払い手段に関する通達の見直しを行った。
 これらを踏まえ、国交省はガイドラインを改定。下請代金の支払いについて、▽できる限り現金払い▽手形などによる場合は割引料を下請事業者に負担させないよう下請代金の額を十分に協議▽手形期間は120日を超えないのは当然とし、将来的には60日以内とするよう努力-の3点を明記した。
 違反行為事例も充実させた。例えば、下請工事で基本契約書を取り交わさない、または契約約款を添付せずに注文書と請書だけで契約を締結する行為や、実際の納入時期に資材価格が下落した場合、下請負人と変更契約を締結せずに元請負人の一方的な都合により取り決めた代金を減額する行為など約10事例を追加した。
 関係法令の改正にも対応。建設業法施行令で、帳簿の添付書類となる施工体制台帳の作成金額要件が3000万円(建築一式工事4500万円)から4000万円(6000万円)に改正された内容を反映させた。
 国交省は17年度、講習会や立ち入り検査などを通じてガイドラインの改定内容の周知を図る。
 国交省は日本建設業連合会(日建連)に対し、下請取引の適正化に向けた自主行動計画の策定を16年12月に要請。今月28日に報告を受けた。
 行動計画では、下請代金の支払いについて、手形などの現金化にかかる割引料などのコストを協力会社の負担としないよう勘案し、下請代金の額を十分協議して決定するよう努めるなどとしている。手形期間については120日以内でできる限り短い期間とし、将来的に60日を目標として改善に努めると明記。こうした取り組みを、協力会社(1次下請)を通じて、2次以下の下請も順守するよう要請することも盛り込んだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)