国交省/港湾「堤外地」の高潮対策促進/官民でエリア減災計画策定へ

 国土交通省は、海岸保全施設より海側に広がる港湾の「堤外地」を対象に高潮対策を促進する。港湾管理者の地方自治体に対し、高潮の影響で物流・産業活動に重大な支障を来す被害が想定される地区を特定してもらう。次いで地方整備局や港湾立地企業などが共同で「エリア減災計画」を策定する。最終的に官民で着実かつ効率的にハード・ソフト全般の対策を推進できるようにする。
 官民の関係機関に求める堤外地の高潮対策を列挙したガイドライン(指針)を17年度内に策定し、周知する。指針案を22日に開いた有識者でつくる「港湾の堤外地等における高潮リスク低減方策検討委員会」に報告した。
 指針案では対策の前提になる高潮の想定発生規模を、「50~100年程度の間隔で起きる中規模高潮」とした。その上で、港湾管理者や企業などに促すハード対策の内容は、被害規模を一定程度にとどめる減災の視点を重視して示した。具体的には、▽被害を受けない地盤高さにする土地造成▽浸水予測時に貨物を移動するための緑地・高台整備▽共同倉庫などへの止水壁設置▽安全なアクセス道路整備▽漂流物防止柵の設置-などを列挙した。
 指針案で示した対策の最大の柱が、港湾管理者主導によるエリア減災計画の策定になる。地方整備局や自治体の防災部局、港湾立地・利用企業などが連携。重点的にハード・ソフトの減災対策を進める地区を特定し、計画を策定してもらう。対象地区の特定は、過去の高潮災害や既存の高潮浸水想定、企業の立地状況、貨物の取り扱い状況などを考慮するよう求める。
 国交省によると、国内にある港湾では堤外地に物流・産業機能が集中。3大湾(東京、伊勢、大阪)では臨港地区の約8割が堤外地にある。2004年の台風18号による瀬戸内海での高潮災害、11年の台風18号でる発生した三河湾の高潮災害を教訓に、近く策定する対策指針でエリア減災計画の策定による着実、効率的な減災対策の実施を打ち出すことにした。

(日刊建設工業新聞様より引用)