国交省/港湾施設の老朽化対策費試算/23年度には1・6倍に

 国土交通省は18日、全国にある港湾施設の老朽化対策で中長期的にかかる費用の試算結果を初めて明らかにした。維持管理や更新・修繕にかかる年間の費用は、2013年度(約1400億円)と比べ、23年度には約1・6倍の最大約2200億円に増えると予測している。港湾施設を管理する地方自治体の予算や技術者が減る中、国交省は新技術の開発などを通じ老朽化対策の生産性向上を図る。
 試算結果は、同日開かれた交通政策審議会(交政審、国交相の諮問機関)の港湾分科会で報告された。
 国交省によると、港湾の基幹施設に当たる公共岸壁のうち、供用開始から50年以上を経過したストックの割合は、13年度は約10%だったのに対し、33年度には約60%にまで急増するとみられている。
 今回の試算では、岸壁を中心とする港湾施設全体の老朽化の進行度合いや最近の岸壁の整備ペースなどを考慮。23年度に年間約1400億~約2200億円に上ると予測した。さらに10年後の33年度には約1500億~約2000億円に上ると試算している。
 国交省は今後、港湾施設の老朽化対策に当たる自治体の予算や技術者の減少を考慮。点検・診断作業をできる限り省人化できる新技術の開発を官民で推進する。自動制御型のUAV(無人航空機)による地上構造物の陥没や超音波センサーによる水中鋼材の肉厚測定などを可能にする技術の開発を急ぐ。
 国内の全港湾施設の維持管理情報を一元的に蓄積・管理するデータベースの情報処理・分析機能も高度化し、戦略的・効率的な老朽化対策に役立てる。

(日刊建設工業新聞様より引用)