国交省/港湾施設技術基準を11年ぶり改定/標準設計法を合理化、4月1日施行

 国土交通省は、港湾施設の建設・改良・維持管理を対象にした技術基準を11年ぶりに改定した。2007年の前回改定後、重要課題になった老朽化や大規模地震などへの対策を、円滑に進められるようにする視点を重視。高度・複雑すぎると指摘があった標準設計法も技術者の負担軽減や提案を生かしやすくする観点から合理化し、性能照査に用いる係数の項目数を大幅に減らした。
 改定したのは「港湾の施設の技術上の基準」。地方自治体を中心とする港湾管理者や設計・施工業者などすべての港湾関係者向けに運用している。おおむね10年ごとに内容を見直している。対象施設は港湾法の「技術基準対象施設」に当たる岸壁や堤防といった基幹施設全般。改定基準を定める法令を4月1日に施行する。
 改定の最大の柱が標準設計法の見直し。前回改定で国際標準に沿って導入した「信頼性設計法」を簡素化する。同設計法は、構造物が寿命を迎えるまでに故障や性能の劣化が発生しないように考慮する。国交省によると、同設計法は性能照査に用いる係数などが高度で複雑過ぎ、技術者が使いこなせないケースも多数発生していたという。そこで信頼性設計法の性能照査で使う係数の項目数を大幅に減らした。
 全国で増えている老朽施設の維持管理を効率化するための改定も実施する。17年度から浚渫工で試行しているICT(情報通信技術)を活用した調査・設計・施工・維持管理で、建設生産プロセスの効率化に向けて考慮すべき事項も追加した。これによって建設現場の生産性向上策i-Constructionの推進を図る。
 改定基準では既設施設の改良設計の考え方も明確化し、既設施設の用途変更による有効活用を促進。大規模津波によって港湾施設に甚大な被害をもたらした東日本大震災を教訓に、耐津波設計での「粘り強い構造」に関する記載も拡充したほか、腹付け工事や洗掘防止工の効果の確認方法も明確化した。

(日刊建設工業新聞様より引用)