国交省/現場の安全確保徹底を、業界団体に要請/相次ぐ死亡災害受け

 建設現場で墜落・転落による死亡災害が相次ぎ発生したことを受け、国土交通省は14日に建設業団体に対し安全確保に関する注意喚起を行った。各団体は今後、会員企業にそれぞれの工事現場で安全対策を徹底するよう改めて周知する。
 厚生労働省がまとめた労働災害発生状況によると、1~7月の建設業の死亡者数(速報値)は前年同期と比べて10・3%増の150人と大幅に増えている。8月にはビルの新築工事現場で、今月に入ってからも高速道路の橋梁の建設現場でそれぞれ転落による死亡事故が起きた。
 事態を重く見た国交省では、田村計土地・建設産業局長から日本建設業連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の4団体に、石川雄一道路局長から日本橋梁建設協会(橋建協)、プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)の2団体にそれぞれ安全対策の徹底を要請した。
 田村局長は死亡災害が続く現状について「働き方改革の取り組みに水を差しかねない」と指摘した上で、「建設業にとって何より大切なのは安全の確保だ。今後、生産性の向上を図りつつ働き方改革を進めるに当たり、これまで以上に安全確保に意を用いることが必要だ」と各現場で安全確保を徹底するよう求めた。石川局長は「初歩的なことができていない。改めて再発防止を徹底してほしい」と要請した。
 これを受け日建連の竹中康一安全対策本部長は「建設工事で最も大切なのは安全管理だ。昨年の死亡災害は294人と初めて300人を切り、安全活動の成果が出てきた矢先に死亡災害が起きてしまった。非常に重く受け止めている」とし、各現場で安全確保を徹底すると表明した。
 日建連は22日に開催する理事会の前に安全委員会の緊急会合を開き、国交省の要請を会員企業に周知するとともに、安全活動の徹底を改めて呼び掛ける。全建は、21日に開く理事会で安全確保の取り組みを徹底するよう要請する。
 全中建や建専連も会員企業への周知徹底を図る。橋建協は近く安全委員会を開き、墜落事故防止に向けた対策を検討する。

(日刊建設工業新聞様より引用)