国交省/生コンスランプ、参考値12センチに見直し/配筋高密度化に対応、4月から

 国土交通省は生コンクリートの流動性を示すスランプ値の規定方法を見直す。土木工事発注時のスランプ値を従来8センチと規定していたのを参考値として12センチに変更。施工性を受注者の裁量とし、契約後に受発注者間で値を確認して変更する場合は契約を変更する。耐震性能の要求水準が高まり、配筋が高密度化していることに対応。流動性の高いコンクリートを活用しやすくする。
 有識者会議の「コンクリート生産性向上検討協議会」(会長・前川宏一東大大学院教授)にスランプ値を仕様規定から性能規定へ見直す改定案を示し、了承された。設計要領などの基準類を改定し、各地方整備局に通知。4月から適用する。
 現場打ちコンクリートの土木構造物はスランプ8センチで工事発注されるのが一般的だが、配筋の高密度化で8センチでは打設効率が低下。充てん不足による品質低下も懸念されている。土木学会の調査では、8センチで発注された工事でも約8割は12センチか15センチに変更されているが、スランプ値変更は受・発注者の協議による施工承諾で実施。契約変更は行われていない。
 今回の規定見直しにより、流動性の高いコンクリートの活用を設計段階から検討できるようにする。混和剤を適切に使用することで品質に影響を与えず、必要な流動性を得ることが可能になっているため、施工性は受注者の裁量とする。
 積算や発注段階ではコンクリート単価の算出にスランプ値が必要なため、一般的なRC造の場合は12センチを参考値として示す。契約後に受・発注者でスランプ値を協議。変更する場合は契約変更の対象とする。
 スランプ値を8センチから12センチに変更して流動性を高めたコンクリートを使うと、時間当たりの打ち込み量や作業人員など施工性が約2割向上。コスト面はほぼ変わらないという。
 スランプ12センチを標準に基準類を改定。スランプ値を設定する設計要領などを変更する。
 同協議会の「流動性を高めたコンクリートの活用検討委員会」(委員長・橋本親典徳島大大学院教授、事務局・日本建設業連合会)が、スランプを12センチ以上にしたコンクリートを用いる場合の技術的な留意事項などをガイドラインとしてまとめている。目標スランプが12センチの場合は単位水量や水セメント比などを配合計画書で確認し、12センチを超える場合は試し練りを行い、材料分離抵抗性を確認することなどを盛り込んだ。
 建設現場の生産性向上策i-Constructionのトップランナー3施策の一つ「全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化)」の第2弾のガイドラインとなる。

(日刊建設工業新聞様より引用)