国交省/産業政策会議WGに基本的考え方提示/地域建設業の振興・発展へ5テーマ設定

 ◇市町村による振興推進も提案
 国土交通省は24日に開いた建設産業政策会議の第3回地域建設業ワーキンググループ(WG)で、議論の取りまとめに向けた基本的な考え方を示した。地域建設業が役割を果たすための施策を「経営力強化」など五つの観点から整理。人口減少下で安定的に地域インフラを守る柔軟な入札契約方式や、市町村が地域建設業の振興を図る仕組みなどを提案した。維持管理に対応した建設企業のあり方を検討することも挙げた。
 地域建設業の役割を「地域インフラの担い手」「災害時の応急対応」「地域経済の中心」の三つに整理。役割を果たすための10年後を視野に入れた施策として▽経営力の強化▽市町村との連携強化▽地方自治体の発注体制の補完▽安定的な担い手確保に役立つ入札契約方式▽将来の建設市場に対応した建設企業のあり方-の5テーマを設定した。
 人口減少が進む地方の中山間地域などでは、災害対応や地域インフラの維持管理を担う企業の確保がますます困難になる。そうした状況を踏まえ、海外の先進事例を参考に新たな入札契約方式の検討を提案。発注者があらかじめ簡易な競争入札で複数企業を選び、この中から個別工事を入札を経ずに複数年の柔軟な契約で発注する仕組みなどを示した。
 地域建設業が災害時の地域の「守り手」であると同時に、平時も地域の経済や雇用を支える「地域創生のパートナー」の役割を果たしていることを踏まえ、市町村がより主体的に地域建設業の振興や発展を図る仕組みを設けることを検討。市町村単位での地域建設業振興計画の策定を例示した。現行の建設業法には市町村の役割に関する規定がないため、制度的位置付けや国・都道府県の支援策を検討するとした。
 自治体の発注担当職員の減少や経験不足などで発注体制がぜい弱化しており、持続可能な体制を確保することも課題の一つ。発注関係事務を共同化する先進的取り組み事例を広く共有するとともに、導入・運用のガイドラインや手引を作る考えも示した。複数企業による共同受注を進めるため、JVなどへの発注経験がない市町村向けの手引を作成するなど環境を整備。発注関係事務の民間委託の範囲を国の事例を参考にガイドラインなどで明確化することも挙げた。
 維持修繕工事の重要性が増す中、地域の建設市場の動向や建設企業の立地分布を見据え、実態に即した建設企業のあり方を検討。維持修繕工事は工事と業務が混在して発注される事例も多く、現行法の業種区分と必ずしも合致していないとの指摘があることから、新たな業種区分の検討も将来の課題とした。
 地域企業の経営力を高めるため、経営プロセスの改善や企業連携の促進、ICT(情報通信技術)を活用した建設関連ビジネスの展開などの観点を提示。円滑な事業継承などによる経営基盤の強化策も検討するとした。

(日刊建設工業新聞様より引用)