国交省/社保未加入対策、現場入場制限で見解/事務担当者の判断に基準

 政府は28日の閣議で、国土交通省が進めている建設業の社会保険(雇用、健康、厚生年金)未加入対策をめぐり、作業員の現場入場制限について国会議員から提出された質問趣意書への答弁書を決定した。健康保険の適用除外承認を受けて国民健康保険組合が運営する建設国保に加入し、雇用と厚生年金の両保険に加入している作業員は現場入場が可能。個人事業主(常用労働者数5人未満)に雇用されている作業員は雇用保険に加入していれば現場に入場できるとした。国交省がこれらの見解を示した。
 国交省が策定した「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」には、社会保険に加入していることが確認できない作業員について、「特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取り扱いとすべきである」と明記されている。
 ただ、社会保険は就労形態(雇用または請負)などによって入るべき保険が異なるため、一律の判断が難しいのも実態。建設現場の事務担当者が、作業員一人一人の入場の可否を判断するのは困難といった声も業界内には少なくない。
 政府に質問趣意書を提出したのは升田世喜男衆院議員(民進)。19日に提出したガイドラインに関する質問趣意書には、「建設現場の一部担当者の認識不足によって作業員が現場入場を否定される場合が発生している」として、二つのケースについて正しい取り扱い方法を質問した。これに対して国交省は両ケースとも作業員は現場に入場できるとの見解を示し、これを盛り込んだ答弁書が閣議決定された。
 国交省では、事業所や就労の形態に応じて加入すべき社会保険について整理した表をホームページに掲載している。社会保険未加入対策の浸透を目的として全国10ブロックで実施した地方説明会(8月4日~10月17日)では、適切な社会保険加入について、地方自治体の担当者や建設業者に直接呼び掛けている。
 11月15日の東京を皮切りに全国10カ所で開く法定福利費に関するセミナーで使うテキストにも資料を盛り込む。今後も「機会を捉えて丁寧に説明していきたい」(建設市場整備課労働資材対策室)としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)