国交省/自治体発注の建築事業円滑化へ対応策検討/課題抽出し手引作成へ

 国土交通省は地方自治体が発注する公共建築事業の円滑な実施に向けた検討を行う。民間市場の動向を的確に把握し、発注条件や予定価格に適切に反映するといった発注者の役割を果たすため、発注手続きの具体的内容や関係団体による情報提供も踏まえて課題を抽出。発注関係事務を適切に行うための留意点や対応策を検討し、円滑実施の手引(仮)を作成する。
 学識者や自治体関係者で構成する「地方公共団体における建築事業の円滑な実施に向けた懇談会」を設置し、30日に初会合を開く。5~6月に開催予定の3回目の会合で手引の骨子を取りまとめる。
 改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針には、発注者の責務として適正な予定価格の設定や適切な工期設定などが明記されている。建築は土木と異なり民間工事が多くを占めるため、公共発注者が責務を果たすには民間市場の動向把握などが求められる。
 一方、規模の小さい市町村では要求を果たすための知識や経験が不足し、入札不調などが発生。事業が停滞している事例もあるという。
 こうした実態を踏まえ、懇談会では自治体の発注関係事務に関する課題の検証や対応策の検討を行う。発注フローをたどりながら課題を抽出。例えば、企画段階での工事費の精度や変動リスクなどの把握、設計段階での状況に応じた予算の追加確保、積算段階での市場の実勢価格を的確に捉えた見積もり単価の設定などを論点に想定している。発注者、設計事務所、積算事務所それぞれの役割も論点の一つとする。
 関係団体から情報の提供も受ける。初会合には土志田領司全国中小建設業協会副会長、森暢郎日本建築家協会会長補佐、佐々木宏幸日本建築士事務所協会連合会副会長、三井所清典日本建築士会連合会会長の4人が出席。今後、他の建設業団体や積算事務所団体などを予定している。
 懇談会のメンバーは次の通り。
 ▽大森文彦弁護士・東洋大法学部教授▽岡部和彦茨城県日立市総務部長兼新庁舎整備局長▽藤田香織東大大学院工学系研究科建築学専攻准教授▽古阪秀三京大大学院工学研究科建築学専攻教授▽三沢高行神奈川県県土整備局建築住宅部営繕計画課長▽矢田尚子日大法学部准教授▽山崎浩明東京都財務局建築保全部技術管理課長▽渡邉誠千葉県市原市総務部総務課主幹。

(様より引用)