国交省/道路法改正案/「重要物流道路」を指定、超大型車に対応

 国土交通省が22日召集の通常国会に提出する道路法改正案の概要が明らかになった。物流上、特に重要な道路区間を国交相が「重要物流道路」に指定する制度を創設。その区間ではトラックの超大型化に対応して構造を強化したり、地方道の災害復旧を国が代行できるようにしたりする。運転手不足などを背景に増えている超大型トラックの走行ルートを確保するとともに、災害時も安定した物資輸送を行えるようにする狙いだ。
 重要物流道路の指定対象には、高速道路を含む高規格幹線道路や地域高規格道路、国が直轄管理する国道と、自治体の庁舎や空港、港湾などの物流拠点施設にアクセスする一般道路などを想定している。
 重要物流道路では、運転手不足などを背景に増えている国際海上コンテナを搭載した超大型トラック(標準車両高さ4・1メートル、長さ16・5メートル)が円滑に走行できるよう、道路の新設・改築時の構造基準を強化する。具体的には、トンネルの高さや交差点の構造を、超大型車の標準的な高さや長さに対応して見直す。幅員や舗装の耐久性、橋梁区間の基準は現行のままでも支障を来さないとみている。
 重要物流道路では、走行経路や重量などが確認できれば超大型車の特別通行許可の取得を不要にする。
 新制度のもう一つの目的は、災害時の安定的な物資輸送の確保。背景には、16年4月の熊本地震の際、災害時の緊急輸送道路に指定されていた道路で被害が多発し、被災地への支援物資の円滑な輸送が困難になった状況がある。
 そこで災害時には、自治体が管理する重要物流道路やその代替・補完路などとなる道路を対象に、国が自治体に代わって道路啓開や災害復旧を行えるようにする制度を新たに設ける。
 これらの新制度によって、物流網を形成する道路について、平時と災害時を問わず常に安定的な輸送を確保できるようにする。
 道路法改正案は、道路整備事業財政特別措置法改正案と一括で提出する。道路財特法改正案では、17年度末で期限切れとなる道路改築費・修繕費に対する補助金・交付金のかさ上げ措置を27年度末まで10年間延長することを定める。国交省はこのかさ上げ措置を活用し、構造基準を見直す重要物流道路の整備を重点的に支援する方針だ。
 道路法改正案ではほかに、高速道路と沿道の民間事業用施設を直結するスマートインターチェンジ(IC)を整備する民間事業者に整備費の一部を無利子融資する制度を創設。道路下にある上下水管などの占用物件の維持管理が不十分で陥没などが頻発している状況を踏まえ、占用物件の管理者に適切な維持管理を義務付ける。
 《改正案の要旨》
 ■道路法
 △物流上、特に重要な道路区間を国交相が「重要物流道路」に指定する制度を創設
 △重要物流道路は超大型トラックの走行に対応できるよう構造基準を強化し、道路新設・改築時の適合を規定
 △重要物流道路とその代替・補完路の自治体管理区間を対象として、災害時に道路啓開や災害復旧を国が代行する制度を創設
 △高速道路本線と沿道の民間事業用施設を直結するスマートICを整備する民間事業者に対し、整備費の一部を無利子で融資する制度を創設
 △道路直下にある下水管など占用物件の管理者に適切な維持管理を義務付け、維持管理が不適切な場合は道路管理者が改善を命令できる措置を規定
 ■道路整備事業財政特別措置法
 △道路改築・修繕費に対する補助金・交付金かさ上げ措置を27年度末まで10年間延長。

(日刊建設工業新聞様より引用)