国交省/防災拠点建築物の機能継続ガイドライン策定/構造耐力1・5倍確保を

 国土交通省は、防災拠点建築物の災害時機能継続に必要な技術要件などを列挙したガイドラインをまとめた。建築主や設計者に対し、大規模地震発生時の構造体と非構造部材、建築設備の状態について目標を設定するよう推奨。防災拠点としての重要度に応じ、構造の種類に関係なく建築基準法の1・25倍~1・5倍となる構造耐力を確保するよう求めている。
 ガイドラインは16年4月の熊本地震で市町村庁舎の被害が多発したのを教訓にまとめた。大規模地震発生後の避難や応急復旧活動で拠点施設となる庁舎や病院、避難所といった建築物機能が継続できるようにする技術要件などを挙げた。
 具体的には、大規模地震が発生しても構造体の補修を必要としない「I類」と位置付ける防災拠点建築物について、建基法の1・5倍の構造耐力確保を求める。大規模地震の発生時に必要最小限の補修だけを必要とする「II類」と位置付ける建築物については、建基法の1・25倍の構造耐力確保を求める。大規模地震発生時に目標とする水準の機能継続に支障となる損傷防止を図る。
 構造体の留意点では、免震構造を採用する有効性も指摘している。その際、設計時に想定と異なる地震の揺れの大きさや往復時間に配慮した余裕を確保する必要性を指摘している。具体的には、免震支承やダンパーについて可動域や減衰力、配置に余裕がある設計にする方法が考えられるとしている。
 設計全般に共通する留意事項では、共通する地震の大きさを前提に構造体や非構造部材、建築設備の各設計を進める必要があるとも指摘している。
 ガイドラインでは、大規模地震発生時の機能継続対策として、国の熊本地方合同庁舎A棟(熊本市)や横浜市庁舎など全国で新築や改築などが行われた庁舎や病院、避難施設を紹介している。

(日刊建設工業新聞様より引用)