国交省/電子契約システム、8月から試行運用/直轄工事・業務で200件予定

 国土交通省は8月、公共工事や建設コンサルタント業務などを対象とする「電子契約システム」の試行運用を始める。契約締結から契約変更、検査、支払い請求までの書類のやりとりを電子的にシステム上で行う。同省直轄で約200件(工事約100件、業務約100件)を試行するほか、他府省でも予定。試行結果を踏まえ19年2月からシステム改修を進め、来夏の本格運用を目指す。
 電子契約システムには、公共工事などを発注する国交省、農林水産省、防衛省、内閣府(沖縄総合事務局)の4府省が参加する。電子契約が導入されると、現在は紙ベースで行っている契約締結から契約変更、検査、支払い請求までの一連の手続きをすべて電子データでできるようになる。
 国交省は8月の試行運用に備え、7月までをシステム操作の習熟期間に充てる。電子契約専用のウェブサイトを6月にも開設し、システムの操作方法や一連の流れを体験してもらう。試行対象は同省直轄の土木、官庁営繕の工事・業務。試行を通じて課題を抽出し、システム改修に反映させる。
 現在、運用中の電子入札システムで本人確認などに用いるICカードを、電子契約システムでも使えるようにする。電子入札に対応できる環境を整えていれば、追加コストなく電子契約が利用可能だ。電子化によって現行の印紙税法上、契約書の印紙税も不要になるという。
 国交省は来夏、すべての工事・業務を対象に電子契約を原則化する。受注者が希望すれば紙ベースでも対応する。2003年に全面運用が始まった電子入札は、ほぼすべての工事・業務で実施されている。
 システムが稼働すると、受発注者双方にメリットがある。契約締結・変更などで受注者は発注者の事務所に何度も出向いて書類を受け取ったり、提出したりしていたが、こうした負担が軽減される。
 契約確定や契約変更にかかる時間も短くできる。契約手続きの窓口がシステムに一元化され、利便性が向上するとともに書類管理のコストも軽くなる。受発注者双方の契約業務を効率化できる。
 電子契約システムの構築を進める国交省の内田欽也官房地方課長は、「受注者の負担をかなり軽減できる。支払いにまで関わる重要なシステムであり、試行結果を踏まえしっかりとしたシステムを作り上げる」としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)