国交省/ICT土工普及へ自治体と地域業者支援/静岡県で初弾事業、必要機材貸与も

 国土交通省は直轄の土工工事で取り組むICT(情報通信技術)施工を、地方自治体や地域の中小建設業者に普及させる事業の初弾として静岡県を支援する。同県発注工事でICTを活用した施工計画の立案支援や必要機材の貸与などを行う。導入効果を検証し普及活動に役立てる。17年度予算の概算要求に45百万円を計上したが、16年度に前倒し実施。同県に続き支援自治体を増やしたい考えだ。
 自治体工事の支援はICT土工のメリットや業務プロセスを広く浸透させるのが目的。都道府県などが発注した工事をモデル事業に位置付け、受注した地域建設業者にICTを活用した施工計画の立案支援やマネジメントの指導、必要な機材の貸与などを行い、中小規模の工事での導入効果を検証する。
 対象となる先導的なモデル事業では建設会社や建設コンサルタント、測量会社、機材のレンタル会社など地場の業界からの有志と国、自治体で構成する「支援協議会」(仮称)を設置。各メンバーのノウハウや知見、技術を持ち寄り、現場での検証と試行的な施工をセットで行えるようにする。
 静岡県はICT活用工事(ICT土工)の試行方針を定め、▽3次元(3D)起工測量▽3D施工用データ作成▽ICT建設機械による施工▽3D出来形管理等の施工管理▽3Dデータの納品-の五つのプロセスでICTを全面活用する。県交通基盤部発注の全工事のうち、土工量1000立方メートル以上をICT土工の適用対象に設定。16年度発注工事で86件(7月4日時点)を予定している。
 建設現場の生産性向上を推進するための庁内組織「交通基盤部建設現場における生産性向上推進会議」を設置。下部組織として官民共同の「情報化施工推進ワーキンググループ(WG)」を設けている。
 今回、ICT土工を自治体や中小業者に普及させたい国交省と、ICT土工を積極的に導入したい静岡県とで方向性が一致。10月31日に県庁で開いた同WGの第2回会合で国交省による支援が決まった。今後は同WGを改組した支援協議会を設け、対象工事など詳細を詰める。ICTの導入効果や、どの程度収益を上げられたかなど情報を協議会で共有。ICT土工に取り組む際の参考にする。各モデル工事の成果は国交省が事例集にまとめ、普及に役立てる。
 国交省は、17年度予算で要求した経費で数自治体を支援する。ICT土工のモデル事業を通じて「受発注者双方でメリットを感じてもらいたい」(総合政策局)としている。

(日刊建設工業新聞様より引用)