国交省/ICT工事普及へ各ブロックでモデル事業実施/中小の導入効果検証

 国土交通省が進めているICT(情報通信技術)活用工事を、地方自治体や地域の中小建設業者にも普及させる取り組みが本格化してきた。北海道と沖縄を含む全国10ブロックのうち、7ブロックで地方展開を支援する実施機関を選定。残り3ブロックも調整中だ。自治体発注工事をモデル事業に位置付け、ICT活用の試行導入や現場での検証、好事例抽出といった業務に取り組んでもらう。
 国交省は建設現場の生産性向上策i-Constructionの普及促進策の一環として、ICT活用工事の裾野を中小建設業に拡大するため、現場支援型モデル事業を実施する。ICT土工のメリットや業務プロセスを地域の建設業にも広く浸透させ、「i-Constructionの効果を地域建設企業に実感してもらう」(総合政策局公共事業企画調整課)のが狙いだ。
 1ブロック当たり1自治体をめどにモデル事業を選定する。具体的には、▽東北=秋田▽関東=茨城▽中部=静岡と岐阜▽近畿=兵庫▽中国=鳥取▽四国=徳島▽沖縄=沖縄-の7ブロック・8県。北海道、北陸、九州の3ブロックでも実施自治体を調整している。
 モデル事業では建設業や建設コンサルタント、測量、機材レンタルなど地域の企業・団体と自治体で構成する「支援協議会」を設置。各地方整備局がアドバイザーとして参画し、自治体と情報共有しながらモデル作りを進める。
 自治体発注工事からモデル工事を選定する。受注した地域建設業者に対し、国交省はICT専門家を派遣。ICTを活用した施工計画の立案支援や、3次元(3D)設計データの作成支援、ICT利用に関する現地指導などを実施するほか、出来形管理などのソフトウエアも貸与。現場講習会の運営支援や好事例の取りまとめも行う。
 国交省総合政策局は16年度に静岡と茨城2県を前倒しで支援している。2県のモデル事業の検証で、ICT搭載建機の投資回収を試算。ICT建機を購入し、3D設計データの作成を自前で行った場合、1万立方メートル前後の土工事を10回程度(年1回の受注で10年)行うと投資を回収できるとしている。
 このほか、のり面の小規模な造成工事でICT油圧ショベルを使わずICTブルドーザーだけで効率的な計画・施工を実現するなど、中小規模の工事での導入効果を検証し、普及活動に役立てる。

(日刊建設工業新聞様より引用)