土木学会・小林潔司会長に聞く/レジリエンス対応へ指標作成

 8日の定時総会後の理事会で土木学会の第106代会長に就任した。「国難、危機に強いレジリエンス(防災・減災)対応力で日本には知見がある」と強調。米国土木学会(ASCE)と連携し、「(各国の)レジリエンス対応力を評価する指標のようなものをつくり、世界に発信したい」と意気込みを語る。
 --土木界をどうけん引する。
 「国民の価値観やライフパターンが多様化する中で、より良い国、社会とは何かということに答えを導き出すのは簡単ではないが、それをインフラの在り方を通じて国民に提示するのが土木学会の使命だと思う。これからは高度経済成長を支えてきた多様なインフラのシステムをIoT(モノのインターネット)、ICT(情報通信技術)、人工知能(AI)などを使って連携させ、国民の多様な暮らし方を支える高度なインフラシステムの『システム化』によって社会の進化に寄与することが重要になる。インフラの未来の道筋を示すようなビジョンを作成する必要があると考えている」
 --注力分野は。
 「アジアや欧米各国の銀行、保険、エネルギー、不動産など異分野の人々と対談し、日本のインフラの現状や期待されているところを聞き、ウェブやメディアを通じて発信する。土木の視点だけに偏らず、多様な価値観から土木の進む方向性を考える一助にしたい」
 「もう一つは『よりよき社会』を考えていく上で最初のスタート点となるのはレジリエンス力と考えている。国難、危機に強い国とはいかにあるべきかを世界に発信したい。日本には災害が起こっても被害を抑え、迅速に復旧・復興を行う高い知見がある。レジリエンス対応力を評価する指標のようなものをつくりたい。既に検討の場を設置した」
 「ASCEはレジリエンス対応の在り方を示す提言をまとめようと動いている。ASCEと協議し、お互いの良いところを採り入れたい。今年9月に札幌市で行う全国大会にASCEの代表者を招き、国際ラウンド・テーブル・ミーティングを行い、レジリエンス対応の議論を深める。10月中旬に開かれるASCEの総会に出向き、関係者とレジリエンスに関するミーティングも行う予定だ」
 --担い手の育成をどう支援する。
 「若い人が土木に魅力を感じ、入りたいと思うような新しい研究分野を洗い出す場をつくる。学会の各委員会と連携し、成果を1年かけて公表したい」。
 (6月8日就任)
 (こばやし・きよし)1978年京大大学院工学研究科修士課程土木工学専攻修了。同工学部土木工学科助手、鳥取大工学部助教授、同教授、京大大学院教授を経て、2012年4月から同経営管理研究部付属経営研究センター長。国土交通相の諮問機関である国土審議会、社会資本整備審議会の専門委員などを務める。兵庫県出身、64歳。

(日刊建設工業新聞様より引用)