土木学会/インフラ健康診断書公表/港湾・道路の健全状態評価

 土木学会は国や地方自治体が管理する港湾(岸壁、桟橋)、道路(橋梁、トンネル)の健全状態や維持管理体制を評価した「インフラ健康診断書(試行版)」を公表した。健全状態を5段階、維持管理体制は3段階で評価。健全状態は港湾と橋梁が「C」、トンネルが下から2番目の「D」だった。維持管理体制は港湾と橋梁が「現状維持」、トンネルが「悪化方向」と診断され、橋梁とトンネルは昨年の評価から1ランクずつ落ちて悪化した。
 診断結果はパンフレットなどで公表し、国民にインフラの維持管理・更新の重要性を理解してもらうのに役立てる。インフラ診断書の公表は今年で3回目。一昨年は橋梁、トンネル、路面(舗装)、昨年は橋梁、トンネル、河川、下水道の各部門でデータを公表し、今年は港湾を追加した。土木学会は各部門の診断を継続しながら、来年は水道部門を加え、21年度にはインフラ全体(約16部門)の診断書の公表を目指す。
 評価指標である健康度はA(健全)、B(良好)、C(要注意)、D(要警戒)、E(危機的)の5段階、維持管理体制は「現体制が続けば健康状態が改善」「現体制が続けば健康状態が現状維持」「現体制が改善しない限り健康状態は悪化」の3段階で評価した。
 港湾部門は、国有施設(1619施設)と地方自治体管理の港湾管理者施設(1万1855施設)を対象に評価。健康度は国の「15年度港湾管理者所有施設の実態調査」の結果を利用し、維持管理体制は国がすべての港湾管理者に実施した維持管理に関するアンケートの結果を使った。
 その結果、健康度は早めの補修が必要な状態の「C」、維持管理体制は「現状維持」と評価した。一方で劣化が進むと荷役事業者や、フェリー・クルーズ船などを利用する市民を巻き込むエプロンの陥没などにつながることも懸念され、予算や人員の充実が必要と強調した。
 道路部門の健康度は、道路管理者が道路法に基づく統一基準を使って点検・診断を行った橋梁(約73万橋)、トンネル(約1万1000本)の調査の結果を利用して評価した。橋梁はC、トンネルはDと昨年と同様の評価となったが、維持管理体制は、地方自治体で修繕の着手率が低いことを理由に、橋梁が改善方向から現状維持に、トンネルは現状維持から悪化方向にそれぞれ落とした。
 土木学会はインフラの廃止や集約も視野に入れた配置計画の検討、効率的な維持管理技術の開発、予算措置を行う必要があると指摘した。

(日刊建設工業新聞様より引用)