地方業界から補正予算待望論/公共事業費、大幅増を/10月総選挙視野

 衆院解散・総選挙が現実味を帯びる中、地域の建設業界から窮状を訴える声が上がり始めた。公共工事量が前年を下回る状況が続いているためだ。先陣を切って群馬県建設業協会が20日、会員企業の受注見通しに関する調査結果を発表。地域に密着した企業ほど計画した受注量が見込めないとして、補正予算による工事の追加を求めた。選挙戦を前に、同様の声が各地に広がりそうだ。=5面に関連記事
 安倍晋三首相は、今月28日に召集される臨時国会の冒頭で衆院を解散し、総選挙に踏み切るとみられている。時の政権による公共事業政策は、建設産業界の大きな関心事であり、特に公共工事への依存度が高い地方の建設業者にとっては工事量の多寡が企業経営に直結するだけに、選挙戦で各党が打ち出す政策に今後、注目が集まりそうだ。
 こうした中、群馬建協は20日、会員企業に行った8月末現在の公共工事の手持ち量に関するアンケートの結果を発表した。それによると、6割を超す企業が受注量が例年よりも1割以上減少していると回答。このままの状況が続くと、年間を通した受注量も前年度を割り込むと予想する企業が8割近くに上った。
 調査結果を発表した青柳剛会長は、このままでは地域の災害対応や除雪に当たる会員各社の経営が弱体化するとの懸念を示し、補正予算による公共事業費の大幅増など政府の対応を求めた。
 青柳会長は昨年、地域の建設業者が災害や除雪に備える体制を維持するのに必要な工事量を「限界工事量」と定義。必要な工事量の確保を各方面に呼び掛けている。16年度は、災害対応を含む3次にわたる補正予算で公共事業費が積み増しされた実績がある。
 一方、本年度は当初予算の公共事業費が前年度並みとなったものの、現段階で補正予算編成は具体化しておらず、先行きに不透明感が増しているのが現状だ。北海道、東日本、西日本の公共工事前払金保証事業会社3社の建設業景況調査でも、地域建設業の景況感は低迷したまま。3社が保証を扱った公共工事の請負金額も6、7、8月と3カ月連続で前年同月を割り込んでいる。
 選挙戦に向けて「地方の声を訴えていきたい」(青柳会長)と早くも臨戦態勢を取る動きもあり、10月22日投開票ともいわれる総選挙を視野に、景気対策や補正予算による公共事業費上積みへの待望論が一段と高まりそうだ。

(日刊建設工業新聞様より引用)