大妻女子大/幸せになれる現場の仮囲いをデザイン/熊谷組が授業に協力

 女子大学生が建設現場の仮囲いをデザイン-。大妻女子大学(東京都千代田区)の授業に熊谷組が協力し、街を行き交う人々が幸せになれる仮囲いを考えるという課題が出された。学生たちは約3カ月かけてコンセプトを検討。16日に最終のプレゼンテーションが行われ、工事の様子を見ながらお茶を飲むことができるカフェの設置など、若い女性らしいアイデアが続々と披露された。
 企業や行政から提示された課題にチームで取り組み、解決策を発表する大妻女子大独自の正課授業「キャリア・デベロップメントプログラム(CDP)」の一環。熊谷組は建設業に関心を持ってもらうのと同時に、イメージアップを狙い、授業に協力した。宮田安彦家政学部ライフデザイン学科教授は「人気のある授業の一つで、ゼネコンに協力してもらうのは今回が初めて」という。
 9月に課題が設定され、1~2年生30人が5チームに分かれて参加。熊谷組の建設現場を訪れ、所長にヒアリングを行うなどして、仮囲いのイメージを膨らませていった。
 発表時間は8分。審査員として参加した熊谷組の社員らを前に、スクリーンや模型を使いながら、各チームが考案した仮囲いのデザインを紹介した。
 最優秀賞に選ばれたチームは、仮囲いの中の「怪しい、汚い、騒音」といったマイナスイメージをなくし、地域と工事現場の懸け橋になる仮囲いを考案。設置場所はスーパーマーケットの建設現場を想定し、マグネット式のマットを使った3次元(3D)レンチキュラーを張り付ける。カレンダーのように、毎月1枚ずつ季節の絵を加えていくことで、工事の進ちょくを見守り、一緒に現場を造り上げる一体感を醸成すると訴えた。
 優秀賞には、昼と夜で異なるデザインを提案したチームが選ばれた。QRコードで周辺のお店のクーポンが入手できるほか、昼のソーラーパネルの電力を使用し、夜はプロジェクションマッピングを実施するなど、多彩な仕掛けが評価につながった。
 教員賞は、「Kabe teria」を提案したチーム。囲いの一面に店舗とカウンター席のスペースを設け、食べ物の食器に工事現場や熊谷組の要素を取り入れた「クマ飯」を提供する。同社のマスコットキャラクター「クマ所長」のラテアートなど、具体的なメニューが注目を集めた。
 ほかにも、「ソーシャルネットワークに関心の強い10~20代の女性に仮囲いの存在を発信してもらう」「コンパクトシティーに住むことになった人と観光で来ている外国人を対象にする」など、ターゲットを絞り込み、トレンドを反映させた力作が目立った。
 審査に当たった熊谷組の川村和彦執行役員経営企画本部副本部長兼経営企画部長は「現在の仮囲いの課題を分析した上でのアイデアで、いずれも完成度が高い」と講評。同社の職員からは「どれか一つでも実現したい」との声や「やり遂げたという経験が人生の糧になる」と学生に向けたエールもあった。

(日刊建設工業新聞様より引用)