大成建設ら/漏水検知システム開発/水接触で自己発電、位置や時間を自動発信

 大成建設と半導体製品の開発・製造を手掛けるエスアイアイ・セミコンダクタ(千葉市美浜区、石合信正社長)は、建築物用の新しい漏水検知システム「T-iAlert WD」を開発した。2種類の金属を組み込んだ漏水検知部と電池レス無線機能付きのICタグでセンサーを構成。検知部が水と接触すると自己発電して微弱電力を発生させ、この電力を電源にICタグが電波を発信。漏水位置や時間を正確に特定できるようになる。
 電源や配線工事が不要で、従来の有線タイプのシステムに比べ、導入コストを約3割削減できるという。稼働中の施設にも容易に導入できるため、リニューアル工事を中心に積極的に採用を提案していく。18年中の製品化を目指す。土木構造物などにも適用を拡大していく方針だ。
 漏水現象を逆手に取ったシステムで、漏水検知部が漏水に触れて自己発電した弱電力で起動する。エスアイアイ・セミコンダクタが開発した微少なエネルギーを蓄電、昇圧して利用する回路技術「CLEAN-Boost技術」が使われている。
 センサーは漏水が懸念される外壁や配管経路の継ぎ目などに設置する。ICタグにはあらかじめIDが設定され、IDと設置場所をひも付ける。ICタグから発信された情報は、ネットワーク機器(ゲートウエー)を介してクラウド上に集約される。パソコンやスマートデバイスを使い、関係者間で情報共有することも可能になる。
 建物内の雨漏りなどによる漏水は、建築材料や設備機器の劣化などの要因となるため、早期の発見と修繕が欠かせない。従来の漏水検知システムは、建物内に漏水検知帯を張り巡らせる必要があり、電源や配線工事を伴う。ワイヤレスタイプのシステムもあるが、センサー自体が大きい上に個別の電源も必要となり、コスト面で課題となっていた。

(日刊建設工業新聞様より引用)