大林組、川崎重工業/市街地で水素100%による熱電併給を達成/神戸市で性能確認

 大林組と川崎重工業が、水素燃料だけを使ったガスタービン発電による市街地での熱電併給を、世界で初めて実現した。19、20の両日に神戸市ポートアイランドの実証プラントでエネルギー供給システムを検証し、性能を確認した。両社は実証試験を継続し、地域コミュニティーでの効率的なエネルギー利用につながる新たなエネルギー供給システムの確立を目指す。
 この事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/大規模水素エネルギー利用技術開発/水素CGS活用スマートコミュニティ技術開発事業」として15年度からスタートした。
 川崎重工業が「水素コージェネレーションシステム(水素CGS)」の開発、大林組(事業幹事社)と大阪大学(共同研究者)が「統合型エネルギーマネジメントシステム(EMS)」の開発を担当している。
 両社は昨年12月、1メガワット級水素ガスタービン発電設備「水素CGS」の実証プラントを神戸ポートアイランドに完成させ、1月から試験運転を始めた。
 開発した水素CGSは水素100%だけでなく、水素と天然ガスを任意の割合で混ぜ合わせた燃料も使用可能。両社は試験を通じて燃焼安定性や運用の安定性を確認した上で、水素CGSから発生した熱や電気を近隣4施設(中央市民病院、ポートアイランドスポーツセンター、神戸国際展示場、ポートアイランド処理場)に供給するための基礎的な試験を実施。19、20日に水素だけを燃料に使用した運転を行い、4施設に合計1100キロワットの電力を、中央市民病院とポートアイランドスポーツセンターの2施設に合計2800キロワットの熱を供給し、システム全体が問題なく稼働することを確認した。
 実験期間は18年度まで。今後は季節変動による水素ガスタービンの性能変化やエネルギー制御時の最適な熱電併給バランスについてデータ収集する。実証試験を通じて燃料となる水素と天然ガス、コミュニティーで利用する熱と電気を総合管理し、経済性や環境性の観点から最適制御する統合型EMSの確立を目指す。

(日刊建設工業新聞様より引用)