大林組タイ現法/技術者育成へ、協力会社のスタッフも指導/難易度高い工事に対応

 大林組の海外現地法人・タイ大林(ソンポン・チンタウォンワニッチ社長)が人材育成で新たな取り組みを始めた。技術者を育成する自社のトレーニングセンターで行う研修の対象を、同社の若手・中堅職員から協力会社のスタッフや技術者を目指す大学生まで広げた。建設市場の成熟化に伴い増加する難易度の高い工事に対応するとともに、現場全体の技術水準の向上を目指す。
 タイ大林トレーニングセンターは、15年6月にグランドオープンし、9月に講座を開設した。施設はRC造2階建て延べ2080平方メートルの規模。約100人が収容できるセミナールームや事務室、作業場を備える。
 作業場には天井や屋根などの建築構造をはじめ、仕上げや設備、仮設工事の実習に使うモックアップ(模型)を設置。実際の建設現場と同じ条件で工事の品質や安全について学べる。講師は同社のベテラン技術者が担当し、一つのテーマにつき週1回研修の場を設ける。午前は講義、午後は実習を行う。
 17年6月に同国職業開発局から、初の建設技術訓練施設として認証を受けた。同12月には同国エンジニアリング協会からも認証を受け、トレーニングセンターでの講座受講履歴がエンジニアの資格を取得する際の評価点に加算されるようになった。
 同社は1964年に大林組が開設したバンコク出張所を前身とし、74年に設立された。同国に進出する日系企業の工場案件を中心に事業を拡大。80年代以降はバンコク銀行本店ビル(82年)やチャクリ王宮ホール(2006年)など、現地の象徴的なプロジェクトも手掛けている。
 経営基盤を強化する取り組みとして、同社は技術力の向上や人材育成の強化に注力。同国だけでなくカンボジアやミャンマーなど近隣諸国での事業拡大に向けた拠点としての機能も果たしており、東南アジア地域の中核会社として発展が期待されている。
 資本金は1000万バーツ。出資比率は大林組33%、大林不動産16%、タイ王室財産管理局10%、バンコク銀行10%、サイアム商業銀行10%など。16年度に397億円の売上高を計上している。

(日刊建設工業新聞様より引用)