大林組/トンネル覆工裏込めでミルク型新注入材開発/材料コスト、最大2割減

 大林組は18日、小規模なトンネル補修向けに、覆工裏込め注入工法「スペースパック工法」の新たな注入材を開発したと発表した。セメント系結合材と特殊増粘材の粉体系材料2種類を施工時に混ぜ合わせるミルクタイプで、時間と場所を選ばず安定的に調達できる。従来のモルタルタイプで必要となるトラックの割り増し費用や洗浄費用が不要となり、材料コストを最大で2割削減可能という。
 これまで使用していたモルタルタイプの注入材は、生コン工場から出荷されるレディーミクストモルタル(生モルタル)を現場に搬入するか、現場に用意したプラントでモルタルを製造後、特殊増粘材スラリーを混入して製造するため、施工するたびにモルタルを調達する必要があり、手間がかかっていた。
 開発したミルクタイプの注入材は、施工時に2種類の粉体系材料を混ぜ合わせるだけで製造が可能。あらかじめ現場に材料を搬入しておけば、昼夜を問わずいつでもどこでも施工できるのが特徴だ。
 モルタルタイプは夜間工事の場合、生モルタルを夜間に搬入するための出荷割り増し費用が発生する。生モルタルを搬入したアジテータートラックに特殊増粘材スラリーを混入して注入材を製造する必要があるため、トラック1台当たりの生モルタルの輸送量が限られ、小口空積割り増し費用がかかる。
 ミルクタイプはそれらに加え、注入後にトラックを洗浄する費用も不要となり、材料費のコストダウンが可能になった。
 設備は、サイロ2基とミキサー1基を搭載したトラック1台をトンネル内に搬入するだけ。モルタルタイプに比べ設備を小型化でき、注入量が少ない場合でも効率的に作業を行える。
 ミルクタイプの注入材も、モルタルタイプと同様、東日本、中日本、西日本の各高速道路会社が定めた品質規格を満たしていることを試験で確認した。工事規模・施工条件に応じて注入材を選択できるようになったことから、スペースパック工法を長大トンネルや一般道路トンネルの補修などで積極的に提案していく。
 スペースパック工法は、同社が01年に開発し、現在は建設資材販売のテクノ・ブリッド(東京都渋谷区、青木茂社長)など6社で工法研究会を設立して工法の普及に当たっている。

(日刊建設工業新聞様より引用)