大林組/免震建物の安全制御装置開発/擁壁との間に高減衰ゴム材設置、衝撃力緩和

 大林組は26日、免震構造の建物の安全性を一段と向上させる新装置「免震フェンダー」を開発したと発表した。高減衰ゴム製の緩衝材で、建築基準法などで定められた地震動を超える巨大地震発生時に、基礎免震の地盤側の擁壁と建物が衝突しても、その衝撃力を緩和できるようになる。新築工事を中心に積極的に採用を提案していく。
 免震建物は、建物が大きくゆっくりと動く構造のため、地盤側の擁壁と建物の間にクリアランス(隙間)を設ける。建築基準法で定められた地震では、隙間内で水平に揺れ、擁壁と衝突することがないよう設計されている。
 一方、想定以上の大きな地震が発生した場合は、衝突する場合もあり、衝撃で建物自体が大きく揺れて居住者の安全性が脅かされたり、建物が損傷したりする可能性がある。擁壁が設けられない中間層免震でも、免震装置の過大変位を防止するためのストッパーが設けられる場合があるが、同様の課題がある。
 免震フェンダーは、高減衰ゴム製の緩衝材が塑性変形することで衝突のエネルギーを吸収し、衝撃力を緩和する。
 高減衰製ゴムブロックと取り付け用の鉄板で構成されたシンプルな機構のため、低コストでの導入が可能という。
 免震建物に通常求められる隙間で装置の厚さを考慮する必要があるため、新築が前提となるが、隙間の大きさや敷地条件によっては既存建物にも適用可能としている。開発に当たっては、住友ゴム工業に協力を仰いだ。
 基礎免震では、同社の大阪機械工場BCP拠点事務所(大阪府枚方市)、中間層免震では広島ガスの防災拠点ビル(広島市南区)に適用が決まっている。この2物件では、建築基準法で定められた大地震(極めてまれに発生する地震動)の約1・5~2・0倍の地震動で衝突した場合の衝撃力を、免震フェンダーを設置しない場合の約2分の1~3分の2に低減する設計となっている。

(日刊建設工業新聞様より引用)