大林組/切羽崩落検知システム開発/画像認識技術で予兆把握、安全性を一段と向上

 大林組は19日、山岳トンネルの施工時に、切羽画像から小さなひび割れや微小な落石など、崩落予兆を瞬時に検知するシステムを開発したと発表した。ビデオカメラで切羽を撮影し、背景差分法と呼ばれる画像認識技術で現在と約0・1秒前の画像を繰り返し比較。切羽の変化を捉え、万が一の場合は警告灯やブザーで切羽周辺の作業員に退避を促す。従来の目視に比べ高い精度で予兆を把握でき、切羽作業の安全性を高める。
 開発した「ロックフォールファインダー」は、市販のビデオカメラとノートパソコン、警告灯・ブザーなどで構成し、これらをトンネルジャンボの上部に設置する。
 小さなひび割れのほか、直径わずか10ミリ程度の微小な落石に対しても、石が動き始めてから0・5秒以内に検知可能で、作業員により早く退避を促すことができる。重機や人の動き、カメラの振動によっても画像は変化するが、切羽の変化だけを正確に捉える。
 特殊な機器を使わないため、導入しやすいのも特徴だ。タブレット端末による遠隔操作・監視が可能で、現場のどこにいても切羽の状況を確認できる。開発に当たっては、岡山大学と共同研究を行った。
 同社は、このシステムに加え、切羽の画像から切羽の安全性を評価する人工知能(AI)の開発を進めている。システムにAIを組み合わせて切羽の評価精度をさらに高め、山岳トンネル工事の安全性と生産性の向上を目指す。
 山岳トンネル工事は、崩落の危険性のある切羽に接近して作業するため、監視員が常に切羽の状況を確認しているが、すべての予兆を目視で捉えることは難しく、安全面の課題となっている。

(日刊建設工業新聞様より引用)