大林組/熊本城天守閣に制震ダンパー採用/最上階に設置、空間遮らずに効果発揮

 大林組は28日、熊本市中央区で施工中の熊本城天守閣の耐震改修工事に、住友ゴム工業製の制震ダンパーを採用すると発表した。ダンパーは、大天守最上階(6階)の柱上部と梁を方杖(ほうづえ)状に連結する形で取り付ける。空間を遮ることなく、制震効果が得られる。工事は9月に着手し、計12基を設置する。
 制震ダンパーは、住友ゴム工業が自動車のレース用タイヤで培った技術で開発した高減衰ゴムを使用。地震エネルギーを瞬時に熱へ変換し揺れを吸収する粘弾性ダンパーで、3枚の鋼板の間に板状の高減衰ゴムを強力に接着した。
 サイズは長さ760ミリ、幅180ミリとコンパクトで、省スペースに設置できる。天守閣では方杖状に設置することで、筋交いのように壁全面を使うことなく開放感のある空間を確保できる。繰り返される揺れに強いゴムの復元性を生かし、余震にも有効だ。
 長期にわたりメンテナンスが不要なのも特徴。住友ゴム工業の一戸建て住宅用制震ユニット「MIRAIE」にも高減衰ゴムが使われている。熊本地震でも効果を発揮し、住宅の被害を最小限に抑えられたという。
 熊本城は1607年に加藤清正が築城。1877年の西南戦争で天守閣が焼失したものの、1960年にSRC造などで再建された。以来半世紀以上、熊本のシンボルとして親しまれてきたが、2016年4月の熊本地震で大きな被害を受け、大林組が復旧工事を担当している。

(日刊建設工業新聞様より引用)