大規模建築物ー1割が震度6強以上で倒壊の危険性/国交省、25年までに耐震化めざす

 全国にあり耐震診断の実施が法律で義務付けられている大規模建築物計約1万0600棟のうち約1割の約1000棟が、震度6強以上の大規模地震発生時に倒壊・崩壊する可能性が高いことが国土交通省の調査で明らかになった。結果を踏まえ、国交省は2025年までに耐震化のおおむね完了を目指す。
 今回の調査結果は和歌山県を除く46都道府県(東京都は一部地域分未公表)が公表した耐震診断結果を参考にまとめた。23日開かれた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)建築分科会の建築物等事故・災害対策部会(部会長・深尾精一首都大東京名誉教授)に報告した。
 主な調査対象は、13年11月施行の改正建築物耐震改修促進法で耐震診断の実施が義務付けられた不特定多数者が利用する地上3階建て以上・延べ床面積5000平方メートル以上の病院や店舗、旅館など。都道府県別や施設用途別の内訳はまとめていない。
 調査結果を見ると、震度6強以上の大規模地震発生時に倒壊・崩落する危険性が高いストックは9%の約1000棟。これに加えて倒壊・崩落の危険性があるストックも全体の7%、約700棟ある。一方、改修中も含めた倒壊・崩落の危険性が低いストックは83%の約8800棟に上る。
 併せて、国交省は災害時の避難路沿いにある建築物と、庁舎や避難所などの防災拠点建築物を対象に、地方自治体による耐震診断結果の公表状況も報告した。避難路沿いにある建築物の診断結果は、都道府県レベルで東京都と大阪府が一部地域だけを公表している。市レベルでこの結果を公表しているのは長野市と大阪府の東大阪、茨木の2市にとどまる。
 防災拠点建築物の診断結果を公表している都道府県は15道県。これらの建築物の耐震診断結果公表も改正法の規定で自治体に求められている。
 調査結果を踏まえ、国交省は自治体に建築物の耐震改修促進計画の改正と、20年以降の目標値の再設定を促す。
 改正法で耐震診断の実施が義務付けられた大規模建築物については、現時点で耐震診断結果を公表していない和歌山県の全域分や東京都の一部地域分の要改修ストックも含め、25年までに耐震化のおおむね完了を目指す。

(日刊建設工業新聞様より引用)