太平洋セメント/フィリピン・ルソン島に供給拠点新設検討/東南アジアの物流効率化

 太平洋セメントは、フィリピン・ルソン島にセメントの貯蔵サイロや出荷設備などを新設する検討に入った。1日に就任した不死原正文社長が日刊建設工業新聞のインタビューで明らかにした。同島は南西部に首都マニラがあり、安定的な建設需要を背景に一定規模のセメント出荷が期待できる。同社は東南アジアの数カ所に出荷拠点を増やす計画で、同島以外にインドネシアやミャンマー、バングラデシュなども進出候補に挙げている。
 フィリピンでは現地法人の太平洋セメントフィリピンが、セブ島でセメントを生産・出荷している。ただ同国最大のセメント消費地であるルソン島に供給拠点を置いていない。日本などの工場からセメントを受け入れるサービスステーション(SS)を新たに立ち上げ収益性強化を図る。18年度内に稼働させる考え。
 不死原社長は「フィリピンでは(セブ島から)袋セメントで流通させているが、増産と物流効率化を実現する体制を考えている。まず貯蔵・供給拠点を作ってから工場を建設する方法もある」と述べ、フィリピンでの生産・物流体制を大きく見直す考えを示唆した。
 国内市場は中長期的に建設投資の縮小傾向が予測されており、セメント需要の伸びが期待できない状況にある。人口増加と経済成長が続く東南アジアでSSを拡充する投資を積極的に進め、環太平洋地域で安定的に事業を展開する足場を固める。
 同社はアジア地域で香港やシンガポール、ベトナムなど複数の国にSSを置いている。現地企業とセメント輸入ターミナル事業を展開中のシンガポールでは、15年に2・4万トン規模のサイロを増設。合計7・4万トンを貯蔵・出荷する体制を整えた。

(日刊建設工業新聞様より引用)