奥村組/免震装置、30年経過後の性能維持確認/積層ゴム経年劣化、設計時の想定内に

 奥村組は18日、1985年に実用建物として国内で初めて免震構造評定を取得し、翌86年に竣工した技術研究所管理棟(茨城県つくば市)の免震装置が性能を維持していることを確認したと発表した。建物自体を人工的に揺らす自由振動実験を行った結果、積層ゴムの水平剛性は、竣工時から約9%高くなっていたが、設計時に想定した剛性増加率(最大17%)の許容範囲内に収まり、設計通りの免震性能を備えていることが分かった。
 免震建物の歴史は30年程度と浅く、免震建物を供用する数十年という長期間にわたる構造性能と耐久性については確認されていないのが現状とされる。
 管理棟はRC造4階建て延べ1330平方メートルの規模。免震装置は直径500ミリの天然ゴム系積層ゴム25基、直径50ミリの鋼棒製ダンパー12基で構成する。
 実験では、総重量約2500トンの建物を油圧ジャッキを使い水平方向に強制的に10センチスライドさせた後、ジャッキを一気に開放し、建物を自由振動させた。振動時の揺れの周期や振幅などのデータを測定・分析し、積層ゴムの経年による性能変化を検証した。
 免震建物に使われる免震装置の中で、最も一般的に使用されている積層ゴムの経年による性能変化は、高温にすることで化学反応を促進させる「熱老化促進試験」に基づき予測し、十分な安全率を考慮して設計するが、初期に建てられた免震建物を実際に調査した例は極めて少ないという。
 鋼棒製ダンパーの経年変化や竣工以来継続している地震観測データを基に、地震が免震性能に及ぼす影響についても検証し、順次結果を公表していく予定だ。

(日刊建設工業新聞様より引用)