専門工事会社が広域連携/KMユナイテッド、高松職人育成塾代表を招へい

 「職人育成」をキーワードに専門工事会社が広域連携する動きが出てきた。建築塗装の竹延(大阪市、竹延幸雄社長)の全額出資で4年前に創業したKMユナイテッド(同)は、高松市で「職人育成塾」を主宰する新日本建工の岡村真史社長を6月1日付で会長に招へい。同社から増資も受け入れる。今後理念を共有する企業から出資を募りながら事業を拡大し、2年後をめどに上場を目指す。
 建築塗装で人材育成をビジネスモデルに事業を展開してきたKMユナイテッドは、岡村氏の参画を得て、防水、熱絶縁、左官といった内装全般に営業領域を拡大。国土交通省が推奨する多能工「マルチクラフター」を積極的に育成することで、現場への機動的かつ効率的な人材の配置を目指す。
 建設業許可に基づいた縦割りの工事サービスや縄張り的顧客獲得のような従来の営業スタイルを脱することで、生産性と顧客満足度の向上、デザイン提案による付加価値サービスの提供が可能になると判断した。
 KMユナイテッドは、6月1日付で本社を大阪市から京都市に移転。伝統と進取を併せ持つ街の特性も生かしながら、これまでの常識にとらわれない専門工事業のあり方を追求する。年内には、東京、名古屋、広島、高松、福岡に営業所を開設し、全国的ネットワークを構築する。
 岡村氏が代表理事を務める職人育成塾は昨年10月に開校。新日本建工が主力とする軽量天井・ボード貼り工事をはじめ、内装9職種の技能を学べる拠点として人材を輩出している。理念を共有する人たちと商標登録した名称を利用しながら、職人育成の活動を全国に広めていきたい考えだ。
 KMユナイテッドは、人材育成システム「めっちゃプロフェッショナル」でこれまでにない職人育成に取り組んでいる。ICT(情報通信技術)を活用した人材育成コンテンツ「職人速戦力」では、離れた場所にいてもベテラン職人からいつでもどこでも技能を学ぶことができる。職人の3分の1を女性が占め、外国人材も受け入れるなどダイバーシティー(人材の多様化)経営を推進。経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」や中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」にも選ばれている。
 竹延社長は、岡村氏と職人育成の理念を共有しており、昨年、親会社の竹延と共に本社近くに「大阪職人育成塾」を立ち上げた。京都移転を機に「京都職人育成塾」の設立も構想する。KMユナイテッドを核に職人育成に取り組み、参加各社の事業に戻すことも含めた双方向のビジネスモデルを構築していく。

(日刊建設工業新聞様より引用)