岩手県釜石市/市庁舎建替/候補地に旧釜石小跡、分散機能を集約

 岩手県釜石市は、老朽化と狭あい化が著しく耐震性に課題を抱える市役所庁舎(只越町)の建て替えを計画している。現庁舎北側の旧釜石小学校跡地(天神町)を候補に新庁舎を建設し、7カ所に分散している庁舎機能を集約する。市民の代表らでつくる新市庁舎建設検討委員会(委員長=山崎長也・釜石商工会議所会頭)から8月8日に一体型庁舎にすべきであるとの提言を受けている。市では議会に提言内容を説明するなど早期の着工に向けた準備を進めている。
 1954年に最初の庁舎を建設して以降、増築を繰り返し、現在は水道事業所(新町)と下水道課(大平町)を含めて9カ所に分散。円滑な市政運営の妨げや市民サービスの低下を招いていることから、抜本的な対策として新庁舎建設の検討を進めている。
 新庁舎の建設を巡っては、90年に鈴子町地区を適地に選定し、94年に用地を取得したが、財政難のためいったん計画を休止。08年度に設置した懇話会では10年9月に、鈴子町地区より天神町地区がふさわしいとの答申をまとめた。
 東日本大震災発生後、市は震災復興事業としても市庁舎の建設を位置付け、15年3月に学識者らでつくる東部地区公共・公益施設整備調査委員会を設置し検討を進めた。同委員会からは現庁舎の増改築より、旧釜石小跡地(面積約1万2600平方メートル)への新築が望ましいとの提言を受けていた。
 今回提言を受けた新市庁舎建設検討委員会は、改めて場所や規模、機能などを協議するため、昨年7月に設置。第1~第5庁舎に分散した機能に加え、前回の調査委員会の提言には盛り込まれなかった保健福祉センター(大渡町)と教育委員会(鈴子町)を集約した総合庁舎とすることや、規模は将来の人口減を勘案した職員数に見合うものにすべきであるとの考えを提示した。
 提言では、▽機能的で安全な庁舎▽市民に開かれ利用しやすい庁舎▽都市づくりの拠点となる庁舎▽防災拠点としての機能を重視した庁舎-を基本方針に、分庁舎ではなく一体型庁舎とすることや、駐車スペースの確保、釜石を象徴する庁舎とすることを求めた。耐震性の確保とともに備蓄倉庫や非常電源、避難導線を確保することも盛り込んだ。
 財源は国が本年度に創設した「市町村役場機能緊急保全事業」を活用し、できるだけ早期の着工を目指すよう求めた。ただ、同小跡地には仮設住宅が建っているため、入居者の再建に配慮することも求めた。
 市では、新庁舎の規模を延べ7500平方メートル程度、事業費を約50億円を基本に検討する考え。早期に設計費などの事業費を確保し、18年度に基本計画と基本設計をまとめる。19年度に実施設計を行い、22年度の完成を目指す。ただ、仮設住宅入居者の住宅再建の状況によっては工程が遅れる可能性もある。

(日刊建設工業新聞様より引用)