市町村ー6割で用地専門部署なし/所有者不明で事務負担増加傾向/国交省

 用地取得事務のノウハウなどが不足している約400の市町村のうち、約6割で用地専門部署が存在していないことが、国土交通省の調査で分かった。特に人口5万人未満の小規模市町村では8割以上に上った。所有者不明を理由に用地取得の事務負担が増加している傾向もあり、用地取得の技術的・人的な支援や所有者探索の円滑化を求める声が多い。
 国交省は用地取得事務の実態と国による支援ニーズに関する調査を6~8月に実施した。対象は過去の調査で用地取得事務のノウハウやマンパワーが「不足」と回答した全国398市町村。回答率は約99%。12日に開いた国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)土地政策分科会特別部会の初会合で、調査結果(速報)を公表した。
 この10年間で用地取得事務の負担が「大いに増加」または「多少増加」と答えたのは約5割。所有者不明により事務負担が増加している理由として、「権利者多数・遠隔地居住による追跡難航など」「財産管理人制度の活用による負担増」「権利者特定のための書類の入手困難」などが挙がった。
 市町村からは、相談窓口の設置や補償金算定支援といった技術面や、経験者の派遣などの人的な支援を求める意見が多く寄せられた。このほか、所有者不明の場合の手続きの簡素化や登記制度の改善など、所有者探索の円滑化・現行制度の改善を求める声も少なくなかった。
 会合で国交省は調査結果を踏まえた支援の方向性(案)を示した。相続によって生じた多数共有地について、所有者探索を合理的な範囲に限ることで負担を軽減。自治体が所有する権利者に関する情報にアクセスしやすくすることで、所有者の探索が円滑に行えるような仕組みなどを挙げた。

(日刊建設工業新聞様より引用)