建築学会/男女共同参画推進へ17年度内にネットワーク設立/全国大会で表明

 日本建築学会(古谷誠章会長)は本年度内に、全国の支部や他団体の女性会員が交流・情報交換する「全国建築女性ネットワーク会議(仮称)」を立ち上げる。女性会員らを結びつける橋渡し組織を設けて男女共同参画の活動を体系化し、女性が働きやすい環境整備を促進する。
 新組織を本年度内に設立する方針は、17年度日本建築学会大会(開催地・広島市、会期8月31~9月3日)で男女共同参画推進委員会が開いた活動報告会「建築界の男女共同参画、現在とこれから!」の席上、学会本部の担当者が説明した。
 地方支部や他団体に相次ぎ女性会員の会が設置されているが、会の活動を連動させる組織横断的な集まりはこれまでなかった。新たな組織では女性会員が環境改善への要望などを共有する場をつくり、女性が働きやすい環境づくりの実現を後押しする。
 報告会後の取材に対し古谷会長は「建築学会には女性の学生会員も多いが、教員候補となる博士課程への進学者が少なく、特に支援する必要がある」と指摘し、女子学生会員が大学院の博士課程に進みやすいよう支援策を充実させる考えを示した。加えて「育児制度など女性を受け入れる体制が整ってきたが、今後はそれらの実効性を高めていかなくてはならない」とも述べた。
 報告会では、企業や大学、官庁で建築設計分野の職務に従事する女性が登壇し、働き方の実例を紹介した。
 広島県庁に勤務する中谷朋子さんは「女性は育児などで、資格取得に必要な職務経験を積みにくい。女性が経験値を増やせる仕組みがほしい」と訴えた。
 日本設計の山本篤子さんは、同時期に複数の地方現場を担当した経験から「もし子どもがいたら、組織系建築設計事務所でなければ(出張が頻繁にある働き方は)難しかったと思う」と感想を述べた。
 建築学会近畿支部の中嶋節子さんは、昨年支部に設けた女性会員の会の活動窓口となるプラットフォームを新設し、複数のイベントを企画していく方針を語った。女子学生会員への情報発信強化を課題に挙げ、理想的な働き方を体現するロールモデルを設定し、周知するアイデアを説いた。
 日本建築学会は53の学協会で組織する男女共同参画学協会連絡会の幹事学会になることが決まっており、シンポジウムなどの関連イベントを開く準備を進めている。

(日刊建設工業新聞様より引用)