建設技術研究所/英ウォーターマングループを完全子会社化/事業戦略で組織設置も検討

 建設技術研究所は、英国の中堅建設コンサルタント会社ウォーターマングループの全株式を取得した。28日に東京都内で開かれた17年1~6月期の決算説明会で、村田和夫社長は「ウォーターマンのグループ入りで新たな市場、新たな顧客を獲得したい。人材交流や事業拡大策などを検討する」と強調。両社で今後の戦略を話し合う場の創出を検討する考えを示した。
 同社は、5月18日にウォーターマンのTOB(株式公開買い付け)を開始。8月25日に100%の取得に成功し、同社を連結子会社とした。完全子会社化に伴いウォーターマンはロンドン証券取引所の上場を取り下げ、建設技術研究所と決算期(12月期)を統一する調整に入る。
 ウォーターマングループは現在、英国内に12カ所、アイルランドのダブリン、オーストラリアのメルボルンとシドニーの2カ所の計15カ所に事務所を構える。17年6月期の売上高は約126億円(英国89%、オーストラリア7%、アイルランド4%)で、社員数1183人。英国内の建設コンサルタントでは売上高、社員数とも第9位の規模。構造設計と設備設計を含むビルディング関連事業に強みを持ち、道路交通・環境などのインフラ関連業務も手掛ける。売上高の分野別構成比は不動産開発・設計関連60%、高速道路を含むインフラ交通関連40%。
 村田社長は、今回の買収について「当社の中長期ビジョンで掲げる海外業務の拡大による『グローバル企業』を目指す取り組みの一つ」と説明。ウォーターマングループの印象を「この30年で売り上げは8倍、社員は5倍に成長した。三菱地所や三井不動産、鹿島、大和証券など日系企業の英国案件を含めリピーター企業が多く、安定したカスタマーベースを確保した堅実な経営を行っている」と評価した。
 建設技術研究所は今後、取締役をウォーターマンに派遣。ウォーターマンのインフラ関連分野の業容拡大を技術、人材面でカバーする。村田社長は「グループとしてアジア市場での受注活動を強化しているが、シンガポールなど英語圏も多く、エンジニアリング分野の仕事で協力できる」と強調。「英国は建築設計分野でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が普通に使われ、当社グループの建築設計会社の日総建の事業力強化につなげられる。世界の未進出の地域拠点を足掛かりに事業拡大も図れる」と述べ、両社間でビルディング分野の強化、地域・技術・人材交流による相乗効果につながる戦略づくりを行う組織などの設置を検討する方針を示した。

(日刊建設工業新聞様より引用)