政府/建基法改正案を決定/大規模改修の負担平準化、木造建設促進へ規制緩和

 政府は6日の閣議で、国土交通省が今国会に提出する建築基準法改正案を決定した。用途変更による既設大規模建築物の活用を促進。費用がかさむ改修工事を段階的に行い、費用負担が平準化できる仕組みを設ける。大規模木造建築物の建設を促す規制緩和や、密集市街地での延焼火災対策に対するインセンティブ措置も導入する。
 今国会で成立すれば、改正法は公布から1年以内に施行する。
 改正案の柱は▽既存建築物の活用促進▽大規模木造建築物の建設促進▽延焼火災に対する密集市街地の安全確保-の3点。
 既存建築物の活用促進は、比較的規模が大きい非住宅建築物を念頭に、用途変更で必要になる法令に適合させるための大規模改修工事の費用負担を平準化できる仕組みを導入する。この仕組みは現行法令で増改築工事の特例措置として運用中の「段階改修制度」の準用になる。用途変更による改修工事は原則として一気に行ってから建築確認を受ける必要がある。
 高齢者人口の増加に対応し、老人・福祉ホームの確保を促す仕組みも導入する。新築時と共用住宅からの用途変更時を対象に、共用部の廊下や階段を容積率の算定基礎となる床面積から外す。
 木造建築物の建設促進策では、防火規制の適用対象外になる建築物の高さ基準を現在の高さ13メートル・軒高9メートル以上から高さ16メートル・地上4階建て以上まで引き上げる。防火規制の対象になっても耐火構造以外の構造を可能にする。
 地方自治体が指定する防火・準防火地域に立地している建築物全般の防火規制も合理化。外壁の防火性能を強化して延焼火災を防げるようにすれば、室内での木材利用を可能にする。
 延焼火災に対する密集市街地の安全確保として、防火・準防火地域で延焼防止性能が高い建築物を建てる際、建ぺい率の上限を10%引き上げるインセンティブ措置を導入する。建て替え用地が制約される密集市街地内で建築面積を確保しやすくする狙いがある。
 《建基法改正案の要旨》
 【建築物・市街地の安全確保】
 ▽維持保全計画作成が求められる建築物の範囲拡大(大規模倉庫を想定)
 ▽防火地域・準防火地域で延焼防止性能高い建築物の建ぺい率10%緩和
 【大規模建築物の用途変更】
 ▽段階的・計画的に現行法令への適合可能に
 【一戸建て住宅の福祉施設等への用途変更】
 ▽一戸建て住宅(延べ200平方メートル以上かつ地上3階以下)を福祉施設など他用途に改修する際、耐火建築物にすること不要に
 ▽用途変更時に建築確認が必要になる要件の見直し(床面積上限を100平方メートルから200メートルに)
 【木造建築物建設の規制緩和】
 ▽耐火構造にすべき木造建築物の高さ基準緩和(高さ13メートル・軒高9メートル以上から高さ16メートル以上・4階建て以上に)
 ▽規制対象でも耐火構造以外可能に
 【その他】
 ▽老人・福祉ホームの共用部を容積率不算入に
 ▽興行場など仮設建築物の存続期間(現行1年)延長

(日刊建設工業新聞様より引用)