政府/所有者不明土地の抜本対策検討/関係閣僚会議が初会合、発生抑制へ制度見直し

 政府は所有者が分からない土地の発生抑制対策に本腰を入れる。土地所有に関する基本制度の見直し、登記制度・土地所有権のあり方などを検討。中期的課題を整理し、今年の経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に取り組みの方向性を明示する。19年2月に取りまとめを行う。土地所有者情報を円滑に把握し、行政機関で共有する仕組みも検討する。
 19日に「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」(主宰・菅義偉官房長官)の初会合を開き、22日召集の通常国会に提出する所有者不明土地の利用円滑化などに関する法案など、新しい制度の準備状況などを確認した。
 会合で菅官房長官は「法案準備を進めるとともに、土地所有権や登記制度のあり方など土地に関する基本問題を巡り根本的な検討を行う必要がある」とし、政府一丸で検討を進めるよう指示。これを受け、同日の閣議後の記者会見で石井啓一国土交通相は、所有者不明土地問題を議論してきた国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)で今夏以降、土地所有者の責務のあり方や所有者不明土地の発生予防対策など、土地所有に関する基本制度の見直しについて審議していく考えを示した。
 法務省の研究会では、相続登記の義務化の是非や土地所有権の放棄の可否といった登記制度・土地所有権のあり方などについて検討する。両省は取り組みの方向性を骨太方針2018に掲載。検討成果をそれぞれ19年2月に取りまとめる。
 国交省が通常国会に提出する法案では、所有者不明土地の円滑利用を可能にする新たな制度を導入。公共事業のために収用する場合は都道府県知事が権利取得などを裁定する土地収用法の特例措置を講じ、収用制度の対象外の公共的事業の場合は、利用権が設定できる地域福利増進事業(仮称)を創設する。所有者探索では行政機関が固定資産課税台帳など、有益な所有者情報を利用できるようにする。
 法案成立後、新制度の施行に向けて地域福利増進事業のガイドライン整備、地方自治体への支援体制の構築などを進める。これらにより土地収用の手続き期間(収用手続きへの移行から裁定まで)が約3割削減できると試算。地域福利増進事業の利用権の設定数として23年度末で累計30件を目指す。
 法務省の提出法案では財産管理制度に関する民法の特例を創設。長期間相続登記未了の土地の解消に関する新しい仕組みも導入する。農林水産省は、所有者不明農地・林地の利活用促進のための新制度を創設する。

(日刊建設工業新聞様より引用)