政府/所有者不明土地利用円滑化特措法案を決定/知事に利用権、10年で100件設定

 政府は9日の閣議で、国土交通省が今国会に提出する「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」を決定した。公共事業向けの土地収用手続きを合理化・円滑化。公共事業のために収用する場合は、都道府県知事が権利取得などを裁定する。公共的事業の場合は暫定利用を可能とする利用権が設定できる新制度を創設。利用権の設定数として施行後10年間で累計100件を目指す。
 今国会で成立すれば、特措法は公布から1年以内に全面施行する。
 特措法案の柱は、▽所有者不明土地の円滑な利用▽所有者の探索の合理化▽所有者不明土地の適切な管理-の3点。
 所有者不明土地の円滑利用を可能にする新たな制度を導入。公共事業のために収用する場合は、都道府県知事が権利取得などを裁定する土地収用法の特例措置を講じる。審理手続きを省略し、都道府県知事が権利取得と明け渡しを一本化して裁決できるようにする。
 収用制度の対象外の公共的事業の場合、土地の暫定利用を可能とする利用権が設定できる地域福利増進事業を創設する。都道府県知事が設定する利用権は上限10年間。所有者が現れて明け渡しを求めた場合には、期間終了後に原状回復する。異議がない場合は期間の延長も可能にする。
 所有者探索では、固定資産課税台帳や地籍調査票など公的情報を行政機関が利用できる制度を創設する。長期間、相続登記されない土地について登記官が、長期相続登記等未了土地であることを登記簿に記録できるようにする。
 所有者不明土地の適切管理では、財産管理制度に関する民法の特例措置を講じる。民法で利害関係者と検察官に認めている財産管理人の選任請求を、特に必要がある場合は地方自治体の首長も請求可能にする。
 国交省は創設する地域福利増進事業のガイドラインなどを整備し、民間主体を含め同事業の適切な活用を促す。ブロック単位で協議会を設置するなど自治体への支援体制も構築する。

(日刊建設工業新聞様より引用)